消防予第49号
消防安第42号
消防救第60号
平成16年3月26日
各都道府県消防主管部長 殿
消防庁予防課長    
消防庁防火安全室長    
消防庁救急救助課長    
  消防法施行規則の一部を改正する省令(平成16年総務省令第54号(PDF)。以下「改正省令」という。)が平成16年3月26日に公布されました。
  今回の改正は、消防組織法及び消防法の一部を改正する法律(平成15年法律第84号。以下「改正法」という。)において規定された特殊消防用設備等の工事を取り扱う甲種特類消防設備士及び登録検定機関の関係手続等につき所要の規定を整備し、消防法施行令の一部を改正する政令(平成16年政令第19号)により、総務省令において定めることとした、工事中の防火対象物における防火管理、防火管理上必要な業務を適切に遂行できない場合における防火管理者の資格及び都道府県が市町村の消防を支援する場合の救急隊員に必要な講習又は学識経験に係る所要の規定を整備し、また、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画(平成14年3月29日閣議決定)」(以下「計画」という。)において、登録機関により実施することとされた関係指定機関について、登録機関による実施に係る所要の規定を整備したものです。
  貴職におかれましては、下記事項に留意の上、その運用に十分配慮されるとともに、貴都道府県内の市町村に対してもこの旨周知されるようお願いします。
記
第一 |
  工事中の防火対象物における防火管理に関する事項
(1)  |
  消防法施行令(昭和36年政令第37号。以下「令」という。)第1条の2第3項第2号の総務省令で定める建築物は、外壁及び床又は屋根を有する部分が同号イ、ロ又はハに定める規模以上である建築物であって電気工事等の工事中のものとしたこと(第1条の2第1項関係)。 |
(2)  |
  令第1条の2第3項第3号の総務省令で定める旅客船は、進水後の旅客船であってぎ装中のものとしたこと(第1条の2第2項関係)。 |
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第二 |
  防火管理者に係る指定講習機関の登録機関化に関する事項
  計画の考え方に基づき、指定講習機関を登録講習機関としたこと(第1条の4関係)。
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第三 |
  防火管理上必要な業務を適切に遂行することができない場合における防火管理者の資格に関する事項
(1)  |
  令第3条第2項の総務省令で定める防火対象物は、次の防火対象物としたこと(第2条の2第1項関係)。 |
1) |
  複数の防火対象物の管理について権原を有する者が同一の者である場合における当該防火対象物 |
2) |
  その管理について権原が分かれている防火対象物であって収容人員が一定数以下であるもの |
3) |
  特定資産に該当する防火対象物又は不動産特定共同事業契約に係る不動産に該当する防火対象物 |
(2)  |
  令第3条第2項の総務省令で定める要件は、次の要件としたこと(第2条の2第2項関係)。 |
1) |
  防火管理上必要な業務を行う防火対象物の管理について権原を有する者から、防火管理上必要な業務の内容を明らかにした文書を交付されており、かつ、当該内容について十分な知識を有していること。 |
2) |
  防火管理上必要な業務を行う防火対象物の管理について権原を有する者から、当該防火対象物の位置、構造及び設備の状況その他防火管理上必要な事項について説明を受けており、かつ、当該事項について十分な知識を有していること。 |
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第四 |
  防火対象物点検資格者に係る登録講習機関の規定整備に関する事項
  計画の考え方に基づき、各指定機関を登録機関とすることに伴い、防火対象物点検資格者に係る登録講習機関の所要の規定を整備したこと(第4条の2の5関係)。
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第五 |
  防炎性能に係る指定確認機関の登録機関化に関する事項
  計画の考え方に基づき、指定確認機関を登録確認機関としたこと(第4条の6関係)。
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第六 |
  消防用設備等に係る指定認定機関の登録機関化に関する事項
  計画の考え方に基づき、指定認定機関を登録認定機関としたこと(第31条の5関係)。
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第七 |
  消防設備点検資格者に係る指定講習機関の登録機関化に関する事項
  計画の考え方に基づき、指定講習機関を登録講習機関としたこと(第31条の7関係)。
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第八 |
  消防設備士の類型への甲種特類の追加に関する事項
  消防法(昭和23年法律第186号)第17条第3項に規定する特殊消防用設備等の工事を行うことができる資格者として、甲種特類の類型を追加し、関連の手続等を整備したこと(第33条の3等関係)。
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第九 |
  登録検定機関に関する手続等の規定整備に関する事項
  改正法により、総務省令で定めることとした登録検定機関に関する手続等の規定を整備したこと(第44条の4等関係)。
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第十 |
  都道府県の航空消防隊の救急隊員に必要な講習又は学識経験に関する事項
  改正法による改正後の消防組織法第18条の3第1項の規定に基づき、都道府県が航空機を用いて市町村の消防を支援する場合の救急隊員は、次のいずれかに該当する都道府県の職員としたこと(第50条及び第51条関係)。
(1)  |
  救急業務に関する講習の課程を修了した者
  都道府県知事又は市町村長等が行う一定の課目及び時間数以上の救急業務に関する講習を修了した者 |
(2)  |
  救急業務に関し上記に掲げる者と同等以上の学識経験を有する者 |
1) |
  救急救命士の免許を受けている者 |
2) |
  消防庁長官が同等以上の学識経験を有すると認定した者 |
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第十 |
一   救急救命士の免許を受けている者に係る消防庁長官認定の廃止に関する事項
  令第44条第3項第1号又は令第44条の2第3項第1号に規定する救急業務に関する講習の課程を修了していない消防職員又は航空消防隊の都道府県の職員であっても、救急救命士の免許を受けている者は、消防庁長官認定を要しないものとしたこと(第51条関係)。
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第十 |
二   施行期日等(附則関係)
(1)  |
  施行期日
  改正法附則第1条第2号に掲げる規定の施行日(平成16年6月1日)から施行することとすること。ただし、第十及び第十一の事項については平成16年4月1日から、第一の事項については平成16年8月1日から施行することとしたこと。 |
(2)  |
  関係省令の廃止
  以下の省令を廃止することとしたこと。 |
1) |
  消防法施行規則第四条の五第一項に規定する指定確認機関を指定する省令(平成13年総務省令第78号) |
2) |
  消防法施行規則第三十一条の四第二項に規定する指定認定機関を指定する省令(平成13年総務省令第79号) |
3) |
  消防法施行規則第三十一条の六第五項に規定する指定講習機関を指定する省令(平成13年総務省令第80号) |
(3) |
  経過措置 |
1) |
  改正省令による改正後の消防法施行規則(以下「新規則」という。)第1条の4第1項、第4条の2の5第1項、第4条の6第1項、第31条の5第1項及び第31条の7第1項の登録を受けようとする法人は、施行前においても、その申請を行うことができることとしたこと。 |
2) |
  改正省令の施行の際現に改正省令による改正前の消防法施行規則(以下「旧規則」という。)第4条の2の5第1項の登録を受けている法人並びに旧規則第4条の6第1項、第31条の5第1項及び第31条の7第1項の指定を受けている法人は、改正省令の施行の日から起算して6月を経過する日までの間は、新規則第4条の2の5第1項、第4条の6第1項、第31条の5第1項及び第31条の7第1項の登録を受けている法人とみなすこととしたこと。 |
3) |
  改正省令の施行の際現に存する旧規則別表第1の2の2に定める様式による防炎表示は、新規則別表第1の2の2にかかわらず、当分の間、これを使用することができることとしたこと。 |
4) |
  改正省令の施行の際現に旧規則第4条の4第1項の規定により防炎物品に付されている旧規則別表第1の2の2に定める様式による防炎表示は、新規則別表第1の2の2に定める様式による防炎表示とみなすこととしたこと。 |
5) |
  改正省令の施行の際現に存する旧規則第31条の4第2項の表示は、同項の指定認定機関が、新規則第31条の4第1項の登録を受けた場合及び附則第3条第2項の規定により新規則第31条の5第1項の登録を受けている法人とみなされる場合に限り、新規則第31条の4第2項の規定にかかわらず、当分の間、これを使用することができることとしたこと。 |
6) |
  改正省令の施行の際現に旧規則第31条の4第2項の規定により消防用設備等又はこれらの部分である機械器具等に付されている同項の表示は、新規則第31条の4第2項の規定により付された同項の表示とみなすこととしたこと。 |
7) |
  改正省令の施行の日から平成17年5月31日までの間においては、新規則第33条の3第1項の表の上欄に掲げる第1類から第3類までのいずれか、第4類及び第5類の指定区分に係る消防設備士免状の交付を受けている者は、同項の規定にかかわらず、特殊消防用設備等の設置に係る工事又は整備を行うことができることとしたこと。 |
8) |
  新規則第33条の3第1項の表の上欄に掲げる特類の指定区分に係る消防設備士試験については、この省令の施行の日から平成16年12月31日までの間に限り、都道府県知事(法第17条の11第3項の指定試験機関を含む。)は、新規則第33条の3第1項の規定にかかわらず、当該消防設備士試験を行わないことができることとしたこと。 |
9) |
  改正省令の施行の際現に交付されている旧規則別記様式第1号の3の消防設備士免状及び次項の規定により当分の間使用することができることとされた消防設備士免状は、新規則別記様式第1号の3の消防設備士免状とみなすこととしたこと。 |
10) |
  改正省令の施行の際現に存する旧規則別記様式第1号の3、別記様式第1号の4及び別記様式第1号の6による消防設備士免状、消防設備士免状書換・再交付申請書及び消防設備士試験受験願書は、新規則別記様式第1号の3、別記様式第1号の4及び別記様式第1号の6にかかわらず、当分の間、これを使用することができることとしたこと。 |
11) |
  改正省令の施行の際現に旧規則第33条の11第6項に規定する専科教育の機関科を修了している者は、新規則第33条の11第6項の適用については、同項に規定する専科教育の機関科を修了した者とみなすこととしたこと。 |
12) |
  改正省令の施行前に旧規則の規定によってした処分、手続その他の行為であって、新規則の規定に相当の規定があるものは、この附則に別段の定めがあるものを除き、新規則の相当の規定によってしたものとみなすこととしたこと。 |
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<参考資料>(PDF)
  ○平成16年総務省令第五十四号
  ○消防法施行規則の一部を改正する省令新旧対照条文
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