通知・通達

消防安第31号 小規模ビル避難等訓練マニュアルについて

消防安第31号
平成16年3月5日


各都道府県消防主管部長 殿


消防庁防火安全室長



小規模ビル避難等訓練マニュアルについて



   平成13年9月に発生した新宿区歌舞伎町ビル火災を踏まえた消防審議会答申(平成13年12月26日付け)において、当該火災が大惨事になった要因として「1) 階段室の物品存置、避難訓練の未実施、消防用設備等の点検未実施等防火管理が不適切であったこと。2) 自動火災報知設備のベルが停止されていた可能性が高いこと等により、火災の発見が遅れ、初期消火、通報、避難誘導等の初期対応を的確に行うことができなかったこと。3)及び4)は省略」が挙げられ、防火管理、とりわけ、初期消火、通報及び避難誘導等の初期対応を的確に図ることが重要であるとされたところですが、小規模雑居ビルに係る違反の状況をみると、訓練の実施が的確に行われていないものが多いところです。
   このような状況を踏まえ、今般、小規模ビルにおける消火、通報及び避難に係る訓練に関するマニュアル(以下「小規模ビル避難等訓練マニュアル」という。)を作製し、当該訓練の推進を図ることとしました。
   本マニュアルの活用方法等は下記のとおりであり、防火管理講習、立入検査等の機会をとらえて、小規模ビルの関係者に配布するなどして、小規模ビルにおいて効果的かつ効率的な避難等訓練の実施を促進していただくために活用されるようお願いします。
   なお、貴都道府県内の市町村分各3部についても後日送付いたしますので、配布していただきますとともに、この旨周知されますようよろしくお願いいたします。



   小規模ビル避難等訓練マニュアル適用対象物
   特定防火対象物で収容人員300人未満のもの及び非特定防火対象物で収容人員500人未満のものを対象とするが、特定防火対象物、特に消防法施行令第4条の2の2第1項第2号に該当するものを中心に指導するものであること。

   小規模ビル避難等訓練マニュアルの概要
   本マニュアルは、開店前、閉店後のわずかな時間で防火対象物の関係者が簡単に消火、通報及び避難に係る訓練が実施できる程度の内容であり、設置されている消防用設備等、避難施設に応じて必要最小限のものであること。


   小規模ビル避難等訓練マニュアルの内容
   別添の5組のシートで構成されており、小規模ビルの関係者への周知に際しては、別紙「あなたもできる簡単消防訓練」も併せて活用すること。
   1)消火訓練マニュアル(PDF)
   2)通報訓練マニュアル(PDF)
   3)避難訓練マニュアル-階段、通路を使用した場合-(PDF)
   4)避難訓練マニュアル-避難器具を使用した場合-(PDF)
   5)避難訓練マニュアル-避難器具取扱い-(PDF)






別紙

あなたもできる簡単消防訓練
-できることから始めましょう。いざという時に備えるのはあなたです。-

《短時間・少人数で実施できる》
火災では、初期対応が大切です。早期に周囲へ知らせ避難誘導を実施し、消防機関へ通報し、初期消火を行うことで、あなたの大切な人やものを守りましょう。
定期的に訓練日を設け、開店前、閉店後等のわずかな時間を利用し、訓練を積極的に行い安全と安心のレベルアップを図りましょう。
訓練は、少人数でも実施できます。少人数でも手際よく、必要なことが実施できるように繰り返して訓練しましょう。


《簡単に実施できる》
このマニュアルは、図を多く用いてわかりやすくなっています。初めてでも訓練が簡単に実施できます。
消火、通報、避難誘導の訓練は、時間が許さなければ別々に実施しても構いません。
訓練に特別な費用は必要ありません。多くの人が参加できるようにしましょう。


《もしもの時に役立つ》
特に多くの人が出入りする飲食店、物品販売店舗等の建物では迅速な初期消火、通報及び避難誘導訓練が求められます。
このマニュアルに出てくる消火器等は、皆さんの周りにもきっとあります。もしもの時に備えましょう。
消火器等の位置を確認し、あなたの建物やお店に合わせて、訓練を実施しましょう。


【注意事項】
訓練を実施するときは、ケガをすることや物を壊すことが無いように十分気を配りましょう。
2号及び簡易1号屋内消火栓の訓練を実際する場合は、ホースをはずすとポンプが起動するものがあります。訓練後にはポンプの停止等必要な措置を必ず行ってください。