通知・通達

消防危第54号 完成検査済証等の交付手続の迅速化について(平成10年5月20日)

消防危第54号
平成10年5月20日


各都道府県消防主管部長
  殿



消防庁危険物規制課長     

完成検査済証等の交付手続の迅速化について(通知)



 事務手続の簡素合理化については、従来より、各市町村長等においてご努力いただいているところであるが、完成検査済証、完成検査前検査済証及び保安検査済証(以下「完成検査済証等」という。)のより迅速な交付について、製造所等の関係者から要望が寄せられている。基準適合性等を確認しつつ、完成検査済証等の交付をより迅速に行うためには、各市町村等内部での事務処理手続をより円滑に行うことが必要であるが、かかる事務処理手続の円滑化は、事務の効率化を図る上でも適切なものと考える。
 このため、平成9年3月に閣議決定により再改定された「規制緩和推進計画」に基づき、危険物施設等技術基準検討委員会において、完成検査済証等の交付を迅速に行うための交付手続の在り方を検討してきたところである。この検討の結論を踏まえ、今般、下記のとおり、完成検査済証の交付手続の迅速化のための内部処理の方策等を示したので、これらを参考とし、運用可能と判断できる方法により、完成検査済証等の交付手続の迅速化に努められるようお願いする。
 ついては、貴管内の市町村に対してもその旨周知され、適切な運用がなされるようご配慮願いたい。
 なお、完成検査済証等の交付手続の迅速化に対する取り組みについて、今後実態調査等を行いフォローアップする予定であるので念のため申し添える。





1 完成検査済証の交付手続の迅速化のための内部処理の方策について
 完成検査済証の交付手続の迅速化に資するための内部処理の方策について、別添のとおり例示したので活用されたいこと。

2 完成検査済証の交付手続の迅速化に係る留意事項について
 次の事項に留意して、完成検査済証の交付手続の迅速化に努められたいこと。

 (1) 完成検査の申請時期について
   完成検査は、製造所等全体についての工事が終了した後でなければ申請できないものではないことから、設置又は変更の許可を受けた以後にその申請が可能であること。

 (2) 完成検査に係る決裁に関する専決権者について
   完成検査に係る決裁については、消防機関の組織、内部規程等の状況に応じ、速やかに決裁をすることができる職位の者を専決権者とすることが望ましいものであること。

 (3) 専決権者の不在について
   専決権者が不在であることによる決裁の遅れを防止するよう努めること。
   なお、消防機関の内部規程等の状況に応じ、次の例を参考として運用されたいこと。
  ア 専決権者が不在の場合の代決者を事前に指定しておく。
  イ 完成検査実施内容が軽易なものである場合には事後報告により対処する。

 (4) 専決権者と検査員の勤務場所について
   決裁のための書類等の送付等の迅速化を図るために、専決権者は検査員と同一の場所に勤務する者とするよう努めること。
   なお、専決権者と検査員の勤務場所が異なる場合は、FAX等で決裁に必要な書類等を迅速に送付すること等により対処することが望ましいものであること。

 (5) 市町村長等の公印取得場所について
   専決権者及び検査員の勤務場所と公印取得場所とは、同一とするよう努めること。
   なお、勤務場所と公印取得場所とが異なる場合には、危険物関係の専用公印の作成、完成検査済証への印影の事前印刷・押印等により対処することが望ましいものであること。

 (6) 完成検査実施日の決定方法について
   完成検査実施日の決定に際しては、完成検査申請書に記載されている製造所等の使用開始予定期日以前に完成検査の専決権者による決裁が終了し完成検査済証が交付できるよう留意するとともに、製造所等の関係者と十分調整するよう努めること。

 (7) 離島・山間地での対応について
   離島等遠隔地にある製造所等の完成検査に係る手続については、完成検査の実施結果等について専決権者とFAX等で連絡を取り合うこと等により、完成検査に係る事務手続に遅滞の生ずることがないよう努めること。

別添
例1 完成検査実施前に、検査を実施して結果検査員が基準適合と認めた場合には完成検査済証を交付することについて決裁を得ておく方法




例2 完成検査終了後、専決権(代決)者の決裁を得た上で、完成検査済証を交付する方法