消防危第95号 浮き屋根を有する屋外貯蔵タンクに設置する屋根構造物の取扱いについて(平成10年11月5日)
消防危第95号
平成10年11月5日
消防庁危険物規制課長
記 1 性能評価事項 (1) ウルトラドームの構造耐力(地震荷重、風荷重、積雪荷重等) 設計荷重が、日本工業規格B8501及び危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示の規定に準拠する場合、荷重による座屈、変形等に対する構造耐力について安全性が確認された。また、タンクへの取付部の支点となるテフロン製スライドビーム(別図参照)により、タンクとドームの熱膨張差を吸収することができるため、熱膨張による破損防止についてその有効性が確認された。 (2) 放爆構造 タンク内の圧力が異常に上昇した場合に、タンクのアップリフト発生圧力以下で屋根部サイドパネルを止めているボルトが引き抜かれるよう設計されており、有効に内部のガス又は蒸気を上部に放出することができるため、十分な放爆性能を有することが確認された。 (3) 防錆塗装 アルミ製骨組みにアルミニウムパネルを被覆することにより、外面への防錆塗装をおこなわなくても十分な防錆性能を有することが確認された。 (4) 通気性能 センターベントの他に特別通気口(別図参照)が設けられ、有効に可燃性蒸気を排出することができるため、十分な通気性能を有することが確認された。 2 留意事項 (1) 法令上の扱いについて ウルトラドームが設置された浮き屋根を有する屋外貯蔵タンクは、当該タンクの浮き屋根が危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示第4条の22に定める浮き屋根構造の基準に適合するものである場合には、固定屋根部の材料、板厚、気密性について危険物の規制に関する政令第23条を適用して差し支えない。 なお、既設タンクへの設置にあたっては、主荷重のみならず積雪荷重等の従荷重の変化も考慮してタンク本体、基礎、地盤等の強度を確認することが必要である。 (2) 消火設備について ウルトラドームを設置する屋外貯蔵タンクが、著しく消火困難な屋外タンク貯蔵所として危険物の規制に関する規則第33条第1項第3号に該当する場合、消火設備については第三種の固定式の泡消火設備を設けることとなるが、その泡放出口は、(1)の基準の特例の適用条件により、「消火設備及び警報設備に係る危険物の規制に関する規則の一部を改正する省令の運用について(平成元年3月22日付け消防危第24号消防庁危険物規制課長通知)」別紙71(1)ア(ア)cに定める特型であることが必要である。 ![]() |