
正解が一つでないのが救助の現場
いつか憧れられる
女性消防士になりたい
岐阜県 大垣消防組合消防本部
川添 七海
令和元年度採用
※記事・プロフィールは取材当時のものです。
2019年4月 | 初任教育生 |
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2019年10月 | 専科教育救急科(2か月) |
2020年4月 | 中消防署 ※救助担当 |
正解のない現場を想定し、
考え動く訓練を日々重ねる
私は救助隊に所属しています。交通事故や転落事故などの救助事案にはもちろん、そのほかの火災や救急など全ての災害現場に出動することがあります。火災現場では、消火だけでなく火災原因の調査なども行っています。中には鎮火するまでに10時間を超える現場もあり、火を消し切るまでが消防の仕事だと痛感しました。現場に出ていないときは主に隊長の指導の下で想定訓練をしています。消防士になって3年目の私は、現場では隊長の指示に従って活動するのですが、訓練では自分が隊長として救助隊を率いた想定で様々なことを考え取り組んでいます。例えば、マンホールに落ちた要救助者や鉄塔から宙吊りになった要救助者を迅速に救助するにはどうしたらよいかなどです。そのような訓練や現場で私が強く感じたことは、救助の正解は一つではない。時間との戦いでもある災害現場においては、安全かつ迅速に、そして要救助者にとって最善の救助方法を冷静に見極める必要があるということです。いつか尊敬する隊長のように、迅速かつ冷静に活動や判断ができるようにと日々訓練を重ねています。

人を助ける仕事に就きたいと思い
消防士を目指す
幼少の頃からテレビの戦隊ヒーローが好きで、大きくなったら人を助ける仕事に就きたいと漠然と思っていました。サッカーをやっていたこともあり体力にも自信があったので、進路を決める際に消防士になろうと決意しました。消防に入る前は、“消防=男性”というイメージが強く、体力的には男性に劣ってしまう女性が、消防士としてやっていけるのかと不安を抱いていました。しかし、実際に入ってみると女性の傷病者への対応など、「女性の消防士がいてよかった」という場面が多くあり、自分の決断は間違っていなかったと思いました。上司や同僚も私が女性だからと特別扱いすることもなく、“同じ釜の飯を食う仲間”として分け隔てなく同等に扱ってくれるのも嬉しかったです。

職場でも救助現場でも
さらに多くの女性消防士の活躍が必要
男性が圧倒的に多い消防の職場の中で、1人でも女性がいると自然と雰囲気が良くなり、明るい職場になると思います。時には過酷な現場に向かうこともある消防士にとって、職場の雰囲気が良いということは大切なことです。また、男性隊員が災害現場で女性特有のデリケートなことを聞いたり、救急処置のために女性の傷病者に触れなければならないとき、女性隊員が対応した方が安心してもらえることも多く、職場だけでなく災害現場でも女性消防士の存在の必要性を強く感じます。女性警察官が世間一般に知られているように、女性消防士が当たり前に存在する、そんな未来が来るように私自身が思ったことや感じたことを発信し、いつか憧れられる女性消防士になりたいです。
勤務形態
勤務時間 | 8:30~翌8:30 ※24時間 |
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休日等 | 非番日(翌8:30~)、週休日(翌々日) ※48時間 |
勤務形態 | 交替勤務(3交替制) |