第1 方法
      2号告示第三に規定される方法は、次の1又は2に掲げる方法のいずれかであること。 |
      1 |
防火対象物の階段又は傾斜路の部分に連結散水設備(開放型ヘッドを用いるものに限る。)を令第28条の2に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置する方法 |
      2 |
主要構造部を耐火構造とした防火対象物のうち、階段又は傾斜路の部分とその他の部分が耐火構造の壁若しくは床又は自動閉鎖装置付の防火戸等(2号告示第二、二に規定するものをいう。以下同じ。)で区画されているもので、階段又は傾斜路の部分で火災が発生した場合に、火災により生ずる煙の熱及び成分により防火上又は人命の安全上危険な状態になる前に、当該防火対象物の階に存する者のすべてが、当該防火対象物の階の避難器具を用いて避難できることを確かめる方法
具体的には、避難器具が設置されている階ごとに、次の(1)から(4)のすべてを満たしていることを確認する必要があること。 |
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(1) |
階段又は傾斜路の部分と避難器具設置等場所(規則第27条第1項第3号イに規定する場所をいう。以下同じ。)が隣接する場合は、避難器具の取付部の開口部が、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等から次のイ又はロに掲げる距離以上離れていることを確かめること。ただし、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等と同寸法の遮蔽物(建築基準法施行令(昭和25年政令第338号。以下「建基令」という。)第1条第6号に規定する難燃材料(ガラスを除く。)で造られたもののことをいう。)を階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等から0.2メートル以上離れた位置に設けた場合又は設けることができるように措置されている場合は、次のイ又はロに掲げる距離の2分の1の距離以上離れていれば足りること。 |
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イ |
階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積が2平方メートル以下の場合 当該自動閉鎖装置付の防火戸等から2.0メートル |
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ロ |
階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積が2平方メートルを超える場合 当該自動閉鎖装置付の防火戸等から2.9メートル |
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(2) |
次のイ又はロの式により求められる脱出終了時間が、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等が特定防火設備である防火戸(建基令第112条第1項に規定する特定防火設備である防火戸のことをいう。以下同じ。)の場合は60分を、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等が特定防火設備である防火戸以外の場合は20分を超えないことを確かめること。 |
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イ |
緩降機及び垂直式の救助袋の場合
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ロ |
つり下げ式の避難はしごの場合
は、脱出終了時間(規則第1条の2に規定する算定方法により算定された当該階の収容人員のすべてが当該階に設置された避難器具を使用して脱出が終了するまでに要する時間のことをいう。以下同じ。)(小数点以下の端数があるときは、これを四捨五入する。)(単位 分)
は、避難器具の種類に応じて別表1に定める組み立てに要する時間(避難器具が格納された状態から避難器具の取付部の開口部に使用できる状態で取り付け終わるまでに要する時間のことをいう。以下同じ。)又は実際に測定した組み立てに要する時間(単位 秒)
は、避難器具の種類に応じて別表1に定める着用具の着用等に要する時間(緩降機の着用具を着用する時間又は救助袋により地上に到着してから救助袋の本体から脱出するまでに要する時間のことをいう。以下同じ。)又は実際に測定した着用具の着用等に要する時間(単位 秒)
は、避難器具の種類に応じて別表1に定める避難の準備をするのに要する時間(取付部の開口部を乗り越え始めてから降下し始めるまでに要する時間のことをいう。以下同じ。)又は実際に測定した避難の準備をするのに要する時間(単位 秒)
は、規則第1条の2に規定する算定方法により算定された当該階の収容人員(単位 人)
は、地上から避難器具の取付部の開口部の下端までの高さ(単位 メートル)
は、避難器具の種類に応じて別表1に定める降下速度(単位 メートル毎秒)
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(3) |
次のイ又はロの式により求められる避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度の最大値が1000ppm以下であることを確かめること。ただし、避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度の最大値が1000ppmを超える場合であっても、避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度が1000ppmを超え1500ppmになるまでの時間又は5分のいずれか短い時間と避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度が1000ppmになる時間の和が(2)の式により求められる脱出終了時間以上である場合はこの限りでない。 |
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イ |
階段又は傾斜路の部分と避難器具設置等場所が隣接する場合
は、避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度(小数点以下の端数があるときは、これを切り上げる。)(単位 ppm)
は、次の式により求められる数値
は、次の式により求められる数値
は、(2)の式により求められる脱出終了時間(単位 分)
は、避難器具設置等場所の体積(単位 立方メートル)
は、次の式により求められる階段又は傾斜路の部分から避難器具設置等場所に流入する気体の質量流量(単位 キログラム毎分)
は、次の式により求められる数値
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターである場合は0.009
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の流量係数 0.8
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積(単位 平方メートル)
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)
は、階段又は傾斜路の部分の気体の温度 1073(単位 ケルビン)
は、避難器具設置等場所の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、次の式により求められる数値

は、地上から避難器具の取付部の開口部の下端までの高さ(単位 メートル)
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ロ |
階段又は傾斜路の部分と避難器具設置等場所の間に廊下、居室等が一ある場合
は、避難器具設置等場所の一酸化炭素濃度(小数点以下の端数があるときは、これを切り上げる。)(単位 ppm)
及び は、次の式により求められる数値
は、(2)の式により求められる脱出終了時間(単位 分)
及び は、次の式により求められる数値
は、廊下、居室等の体積(単位 立方メートル)
は、避難器具設置等場所の体積(単位 立方メートル)
は、次の式により求められる階段又は傾斜路の部分から避難器具設置等場所に流入する気体の質量流量(単位 キログラム毎分)
は、次の式により求められる数値
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターである場合は0.009
は、廊下、居室等と避難器具設置等場所を区画する壁にある開口部の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターの場合は0.009、その他の開口部(随時開くことができる自動閉鎖装置付のもの若しくは随時閉鎖することができ、かつ、煙感知器の作動と連動して閉鎖するものに限る。)の場合は0.1
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の流量係数 0.8
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積(単位 平方メートル)
は、廊下、居室等と避難器具設置等場所を区画する壁にある開口部の面積(単位 平方メートル)
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)
は、階段又は傾斜路の部分の気体の温度 1073(単位 ケルビン)
は、廊下、居室等の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、避難器具設置等場所の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、次の式により求められる数値

は、地上から避難器具の取付部の開口部の下端までの高さ(単位 メートル)
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(4) |
防火対象物の階段又は傾斜路で発生した火災による煙が、避難器具設置等場所に流入した場合において、脱出終了時間までに、人命の安全上支障がないものであることをイ又はロに掲げる式により確かめること。 |
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イ |
階段又は傾斜路の部分と避難器具設置等場所が隣接する場合
は、次の式により求められる危険度
は、(2)の式により求められる脱出終了時間(単位 分)
及び は、次の式により求められる数値
は、避難器具設置等場所の体積(単位 立方メートル)
は、次の式により求められる階段又は傾斜路の部分から避難器具設置等場所に流入する気体の質量流量(単位 キログラム毎分)
は、次の式により求められる数値
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターである場合は0.009
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の流量係数 0.8
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積(単位 平方メートル)
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)
は、階段又は傾斜路の部分の気体の温度 1073(単位 ケルビン)
は、避難器具設置等場所の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、次の式により求められる数値

は、地上から避難器具の取付部の開口部の下端までの高さ(単位 メートル)
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ロ |
階段又は傾斜路の部分と避難器具設置等場所の間に廊下、居室等が一ある場合
は、次の式により求められる危険度
は、(2)の式により求められる脱出終了時間(単位 分)
、 、 及び は、次の式により求められる数値
は、廊下、居室等の体積(単位 立方メートル)
は、避難器具設置等場所の体積(単位 立方メートル)
は、次の式により求められる階段又は傾斜路の部分から避難器具設置等場所に流入する気体の質量流量(単位 キログラム毎分)
は、次の式により求められる数値
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターである場合は0.009
は、廊下、居室等と避難器具設置等場所を区画する壁にある開口部の流量係数 自動閉鎖装置付の防火戸等(防火シャッターを除く。)の場合は0.005、自動閉鎖装置付の防火戸等が防火シャッターである場合は0.009、その他の開口部(随時開くことができる自動閉鎖装置付のもの若しくは随時閉鎖することができ、かつ、煙感知器の作動と連動して閉鎖するものに限る。)の場合は0.1
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の流量係数 0.8
は、階段又は傾斜路の部分とその他の部分を区画する自動閉鎖装置付の防火戸等の面積(単位 平方メートル)
は、廊下、居室等と避難器具設置等場所を区画する壁にある開口部の面積(単位 平方メートル)
は、避難器具設置等場所の直接外気に面する部分の開口部の面積の合計(単位 平方メートル)
は、階段又は傾斜路の部分の気体の温度 1073(単位 ケルビン)
は、廊下、居室等の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、避難器具設置等場所の気体の温度 293(単位 ケルビン)
は、次の式により求められる数値

は、地上から避難器具の取付部の開口部の下端までの高さ(単位 メートル)
別表1
避難器具の種類 |
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緩降機 |
68 |
10 |
14 |
別表2に定める |
避難はしご(つり下げ式) |
85 |
0 |
12 |
0.25 |
救助袋(垂直式) |
93 |
12 |
24 |
0.4 |
別表2
製造者 |
型式番号 |
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上田消防建設(株) |
降第6~1号 |
0.75 |
上田消防建設(株) |
降第6~2号 |
0.75 |
(株)消防科学 |
降第6~3号 |
0.71 |
(株)消防科学 |
降第6~3~1号 |
0.71 |
松本機工(株) |
降第6~4号 |
0.82 |
(株)消防科学 |
降第6~5号 |
0.69 |
(株)消防科学 |
降第6~5~1号 |
0.69 |
松本機工(株) |
降第6~6号 |
0.71 |
松本機工(株) |
降第6~6~1号 |
0.71 |
松本機工(株) |
降第6~7号 |
0.70 |
松本機工(株) |
降第6~7~1号 |
0.70 |
松本機工(株) |
降第6~8号 |
0.83 |
内田常三郎 |
降第7~1号 |
0.73 |
内田常三郎 |
降第7~1~1号 |
0.73 |
松本機工(株) |
降第10~1号 |
0.68 |
松本機工(株) |
降第10~2号 |
0.78 |
松本機工(株) |
降第12~1号 |
0.68 |
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第2 留意事項等 |
      1 |
この通知は、平成15年10月1日から施行する。 |
      2 |
第1、2に掲げる方法による場合は、別添のCD-ROMに収録された計算プログラム(消防庁のホームページからダウンロードすることも可能。)を用いて確かめることができるので活用すること。この場合、防火対象物の関係者自らが計算プログラムを用いて確かめることが困難な場合は、消防法令や防火対象物の状況に精通した消防設備士、消防設備点検資格者、防火対象物点検資格者等の活用も考えられるので、防火対象物の実態を踏まえ適切に指導をすること。 |
      3 |
第1、2(2)等にある脱出終了時間の算出に当たって用いる 、 及び の値は、避難訓練等により当該避難器具の使用方法を理解している者を対象に行った実験結果を踏まえて設定したものであり、避難訓練等の機会を通じ、従業員等が避難器具の使用方法に習熟している必要があることに留意すること。 |