平成29年版 消防白書

2.南海トラフ地震・首都直下地震などへの対策、津波対策の推進

南海トラフ地震は、我が国で発生する最大級の地震であり、その大きな特徴として、極めて広域にわたり、強い揺れと巨大な津波が発生すること、津波の到達時間が極めて短い地域が存在すること、時間差をおいて複数の巨大地震が発生する可能性があること、南海トラフ巨大地震となった場合には、被災の範囲は超広域にわたり、その被害はこれまで想定されてきた地震とは全く様相が異なると考えられること等があげられる。
また、首都圏において大規模な首都直下地震が発生した場合には、政治、行政、経済等の中枢機能への障害や、我が国全体の国民生活及び経済活動に支障が生じるほか、海外への影響の波及や膨大な人的・物的被害も懸念される。
東日本大震災の教訓を踏まえて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波を想定し南海トラフ地震や首都直下地震などへの対策を推進していく必要がある。
また、市町村においては地域防災計画等における津波避難に関する事項の策定の促進など、津波対策を推進していくことが必要である。

関連リンク

[消防防災科学技術の研究の課題]
[消防防災科学技術の研究の課題] 消防庁における当面の重点研究開発目標を踏まえ、消防防災科学技術の研究開発について、着実に成果を達成するとともに、研究開発の成果について、技術基準等の整備や消防車両・資機材の改良等、消防防災の現場へ適時的確に反映していくことが、これまで以上に求められる。 研究開発の推...
[消防機関の研究等]
[消防機関の研究等] 消防機関の研究部門等においては、消防防災の科学技術に関する研究開発として主に消防防災資機材等の開発・改良、消防隊員の安全対策に関する研究、救急及び救助の研究、火災性状に関する研究など、災害現場に密着した技術開発や応用研究を行うとともに、火災原因調査に係る原因究明のための研究(調...
[競争的資金における研究開発等]
[競争的資金における研究開発等] 消防庁では、平成15年度に「消防防災科学技術研究推進制度」(競争的資金制度)を創設して以来、研究開発成果の実用化を進めるため制度の充実を図ってきた。 平成18年度からは、PD(プログラムディレクター)、PO(プログラムオフィサー)を選任し、類似の研究開発の有無等を含...
4.救急業務における多言語対応の推進
4.救急業務における多言語対応の推進 救急業務においても、近年の訪日外国人観光客の増加に伴い、救急業務における、多言語対応がより一層必要となっている。 消防庁では、「電話通訳センターを介した三者間同時通訳による119番多言語対応」、「救急ボイストラ」の開発、「外国人向け救急車利用ガイド」の作成を行っ...