平成29年版 消防白書

特集5 消防団を中核とした地域防災力の充実強化

1.消防団の現状

これまで、平成28年(2016年)熊本地震(以下「平成28年熊本地震」という。)や平成29年7月九州北部豪雨災害における活躍など、通常の火災出動に加え、全国各地で地震や風水害等の大規模災害が発生した際には、多くの消防団員が出動してきた。消防団員は、災害防御活動や住民の避難支援、被災者の救出・救助などの活動を行い、大きな成果を上げており、地域住民からも高い期待が寄せられている。
また、今後、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震の発生が懸念されており、消防団を中核とした地域の総合的な防災力の向上が求められている。さらに、「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」(平成16年法律第112号)においては、消防団は避難住民の誘導などの役割を担うこととされている。
このように、消防団は地域における消防防災体制の中核的存在として、地域住民の安心・安全の確保のために果たす役割はますます大きくなっている。
消防庁においては、平成25年12月に成立した「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」(平成25年法律第110号、以下「消防団等充実強化法」という。)を受け、消防団への加入促進、消防団員の処遇改善、消防団の装備・教育訓練の充実等に取り組んでいる。しかしながら、全国の多くの消防団では、社会環境の変化を受けて様々な課題を抱えている。

(1)消防団員数の減少

消防庁では、消防団等充実強化法等を踏まえ、様々な消防団員確保の全国的な運動を展開してきたが、消防団員数は年々減少しており、平成29年4月1日現在、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の86万4,347人に比べ1.6%減少し、85万331人となっている。消防団員の減少に歯止めをかけ、増加させる必要がある(特集5-1図)。

特集5-1図 消防団員の被雇用者化の推移

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特集5-1図 消防団員の被雇用者化の推移の画像。消防団員数は、昭和40年で1,330,995人、平成26年で864,347人、平成29年で850,331人である。消防団員の被雇用者の比率は、昭和40年で26.5%、平成26年で72.2%人、平成29年で73.2%である。

(備考)「消防防災・震災対策現況調査」により作成

(2)消防団員の被雇用者化

消防団員に占める被雇用者団員の割合は、平成29年4月1日現在、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の72.2%に比べ1.0ポイント増加し、73.2%となっており、消防団員の被雇用者の割合が高い水準で推移している。このため、引き続き事業所の消防団活動への協力と理解を求めていく必要がある(特集5-1図)。

特集5-1図 消防団員の被雇用者化の推移

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特集5-1図 消防団員の被雇用者化の推移の画像。消防団員数は、昭和40年で1,330,995人、平成26年で864,347人、平成29年で850,331人である。消防団員の被雇用者の比率は、昭和40年で26.5%、平成26年で72.2%人、平成29年で73.2%である。

(備考)「消防防災・震災対策現況調査」により作成

(3)消防団員の平均年齢の上昇

消防団員の平均年齢は、平成29年4月1日現在、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の39.9歳に比べ0.9歳上昇し、40.8歳となっており、毎年少しずつではあるが、消防団員の平均年齢の上昇が進んでいる(特集5-2図)。

特集5-2図 消防団員の年齢構成比率の推移

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特集5-2図 消防団員の年齢構成比率の推移の画像。昭和40年は、19歳以下が2.7%、20~29歳が42.7%、30~39歳が45.0%、40~49歳が7.8%、50~59歳が1.7%である。平成26年は、19歳以下が0.3%、20~29歳が15.4%、30~39歳が37.8%、40~49歳が27.9%、50~59歳が13.7%、60歳以上が4.8%である。平成29年は、19歳以下が0.4%、20~29歳が13.6%、30~39歳が34.8%、40~49歳が30.9%、50~59歳が14.6%、60歳以上が5.7%である。平均年齢は、昭和50年で33.3歳、平成26年で39.9歳、平成29年で40.8歳である。

(備考)
1 「消防防災・震災対策現況調査」により作成
2 昭和40年、昭和50年は「60歳以上」の統計が存在しない。また、昭和40年 は平均年齢の統計が存在しない。

(4)女性消防団員

近年、地域の安心・安全の確保に対する住民の関心の高まりなどを背景に消防団活動も多様化しており、実災害での消火活動や後方支援活動などはもちろん、住宅用火災警報器の設置促進、火災予防の普及啓発、住民に対する防災教育・応急手当指導等、女性消防団員の活躍が多岐にわたって期待されている。
例えば、平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害においては、広島市の女性消防団員が避難所の運営支援活動等に従事し、高い評価を受けた。また、平成28年熊本地震においては、女性や高齢者に配慮した声掛けや荷物搬送の支援、避難所生活における要望等の聞取りなど、きめ細かな活動を実施した。
女性消防団員数は、平成29年4月1日現在、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の2万1,684人に比べ15.0%増えて、2万4,947人となっており、消防団員の総数が減少する中、その数は年々増加している(特集5-3図)。現在、女性消防団員がいる消防団は全消防団の69.1%となっているが、女性消防団員のいない消防団では、入団に向けた積極的な取組が必要である。

特集5-3図 消女性消防団員数の推移

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特集5-3図 女性消防団員数の推移の画像。女性消防団員数は、平成2年で1,923人、平成26年で21,684人、平成29年で24,947人である。割合は、平成2年で0.2%、平成26年で2.5%、平成29年で2.9%である。

(備考)「消防防災・震災対策現況調査」により作成

(5)学生消防団員

長期的に消防団員を確保していくためには若い人材の確保が重要であり、大学生等の若者が消防団活動に参加し、消防や地域防災に関心を持つことにより、卒業後においても地域防災の担い手となることが期待されている。
平成29年4月1日現在の学生消防団員数は、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の2,725人に比べ46.6%増えて、3,995人となっており、消防団員の総数が減少する中、その数は年々増加している(特集5-4図)。

特集5-4図 学生消防団員数の推移

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特集5-4図 学生消防団員数の推移の画像。平成21年で1,515人、平成26年で2,725人、平成29年で3,995人である。

(備考)「消防防災・震災対策現況調査」により作成

(6)機能別消防団員

機能別消防団員とは、一般的な消防団員とは異なり、入団時に決めた特定の活動・役割及び大規模災害対応等に参加する消防団員である。
平成29年4月1日現在の機能別消防団員数は、消防団等充実強化法成立直後の平成26年4月1日現在の12,771人に比べ48.8%増えて、19,004人となっており、年々増加している(特集5-5図)。

特集5-5図 機能別消防団員数の推移

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特集5-5図 機能別消防団員数の推移の画像。機能別消防団員数は、平成21年で5,410人、平成26年で12,771人、平成29年で19,004人である。導入市町村数は、平成24年で204市町村、平成26年で271市町村、平成29年で397市町村である。

(備考)「消防団の組織概要等に関する調査」により作成

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