令和4年版 消防白書

第2節 北朝鮮弾道ミサイル発射事案への対応

1.北朝鮮の情勢

北朝鮮は、平成28年2月の「人工衛星」と称する弾道ミサイル発射以降、平成29年11月の発射事案まで、頻繁にミサイル発射を繰り返した。この間、平成29年8月には、米国領グアムに向けて、我が国上空を通過する弾道ミサイル発射計画が表明されたことで緊張が高まる中、同月29日及び9月15日には、弾道ミサイルが北海道上空を通過して太平洋に落下する事案が発生した。
同年11月以来、北朝鮮は弾道ミサイルを発射していなかったが、令和元年5月以降、再び短距離弾道ミサイルなどの発射を繰り返しており、令和3年3月には新型の短距離弾道ミサイルを発射、9月以降には、変則的な軌道で飛翔する弾道ミサイルや新型の潜水艦発射弾道ミサイルを立て続けに発射している。また、令和4年3月24日には大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の弾道ミサイルが我が国の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。更に、10月4日には、弾道ミサイルが青森県上空を通過して太平洋に着弾する事案、11月3日には、大陸間弾道ミサイル(ICBM)級の可能性のある弾道ミサイルの発射事案が発生しており、国際社会に背を向けて核・弾道ミサイル開発を継続する姿勢を崩していない北朝鮮が、今後、いかなる行動をとっていくのか、その動向を注視していく。