4.令和7年岩手県大船渡市林野火災等を踏まえた取組
令和7年岩手県大船渡市林野火災では、地元消防本部も含め1日当たり最大約2,100人規模で、昼夜を分かたず消防活動等に従事した。陸上からの消火活動では、市街地への延焼阻止を主眼に、住家付近に延焼阻止線を設定して、予防散水や消火活動が行われたほか、安全を確保しつつ、林野内に入っての消火活動も行われた。空中からの消火活動では、延焼阻止及び消火に向け、自衛隊と連携して、ヘリコプターによる空中からの散水が行われた。
これまでの実災害や訓練等を踏まえ、統括指揮支援隊と航空指揮隊が共通のグリッド図を活用し、十分に連携して空中消火・地上消火を行うなど成果をあげた一方で課題も明らかになった。強風等による急激な延焼拡大や飛び火による広範囲の延焼が見られ、刻々と変化する火災の状況について、夜間も含めて的確に把握する必要があった。山間部で水利の確保が難しく、複雑な地形や狭隘な道が多く侵入や大型車の進出に苦慮した。昼夜を通じた消火活動のため隊員の疲労管理が重要となった。これらの課題や教訓を踏まえ、緊急消防援助隊の更なる充実に向け、以下の取組を図っていく。
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大船渡市三陸町での延焼の様子
(1)的確な情報把握
ヘリコプターやドローン等の情報把握に資する資機材を整備するとともに、緊急消防援助隊に新設された情報統括支援隊の活用等により迅速で継続的な情報把握体制を構築していく。
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ドローンを活用した情報収集活動の様子
(2)早期の応援要請
林野火災では散水量の大きい自衛隊の大型ヘリコプターによる空中消火が有効であるため、平時より消防機関、都道府県及び自衛隊との間で連絡・情報共有体制を構築し、災害時の円滑な要請及び活動ができるよう関係強化に努めていく。
特に自衛隊の大型ヘリコプターが活動するため、地方公共団体は、平素の段階からヘリコプターの活動基盤の確保に係る準備に加え、自衛隊への災害派遣要請に先立ち、当該活動基盤を選定しておく。
地元消防本部は、時機を逸することなく都道府県内応援、必要な場合には、躊躇なく緊急消防援助隊の出動要請を行う。このため、林野火災に係る応援要請基準を各消防本部の受援計画で明確化し、受援計画に基づいた訓練を定期的に行い、都道府県消防相互応援協定において受援業務をサポートする体制について、都道府県及び都道府県内の消防本部と協議しておく。
(3)長期間にわたる消火活動に必要な体制及び消防水利の確保
海や河川等の自然水利を消防用水として活用できる海水利用型消防水利システムのほか、大型水槽付き放水車等の水利確保に有効な車両の整備を進める。
また、車両が進入できない林野内にも送水や放水が可能となるよう、大型仮設水槽をはじめとした資機材等の充実強化を行う。
さらに、建設業等の民間事業者等が所有するコンクリートミキサー車やコンクリートポンプ車等の車両の活用に関して協定等を締結しておくなど、消防用水の確保等に関する民間事業者等との連携も強化する。
(4)山間部での部隊投入と消火活動
山林内でも走破性が高く、簡易水槽やポンプ、背負い式消火水のうなどの資機材を搭載した林野火災対策ユニット車を整備する。
また、ドローンの熱源探査や熱画像直視装置等、林野火災対応において有効な資機材の更なる整備を行う。
さらに、確実な残火処理のために必要な背負い式消火水のう等の資機材を整備する。
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緊急消防援助隊による消火活動の様子
(5)林野火災に対応した安全管理
林野火災は夜間の延焼拡大を阻止するため昼夜を通じて消火活動に従事する必要があることから、早期に長期ローテーションを確立し、隊員の活動時間を組織的に管理する。
また、新設された安全管理部隊を活用し、安全管理を徹底する。
(6)航空部隊における消火活動の強化
航空機による空中消火においては、安全に十分留意した上で活動空域に見合う十分な機数を確保し、連続的な散水に努めるなど消火効率を高める運用を行う。
また、大型で散水量の大きい自衛隊ヘリが出動している場合には、火勢の強い箇所を担当してもらう等、消防防災ヘリとの間で活動区域と役割分担を適切に行う。
あわせて、消防防災ヘリの増強と人員の確保、資機材の整備などによる航空消防防災体制の充実強化を図る。





