審議会

消防団機能向上のための総合戦略検討小委員会

第1回 議事概要

■実施概要

日時:
2006年9月13日 14:00~16:00
会場:
法曹会館 3階富士の間
委員:
秋本小委員長、上田委員、小川委員、関口委員、斉藤(仁)専門委員、鶴岡専門委員、中島専門委員、永坂専門委員、山﨑専門委員
オブザーバー:
全国市長会 園田行政部長

■議事概要

  • 開会
  • 消防庁長官挨拶
  • 小委員長挨拶
  • 委員紹介
  • 議事
(1)小委員会の目的、スケジュール(案)等について
 事務局より本小委員会の目的、スケジュール等について説明が行われた。
(2)消防団の現況と課題
 事務局より消防団の概要と消防団の現況について説明が行われた。
(3)これまでの調査検討会の検討事項、提言を受けての施策状況等について
 事務局よりこれまでの検討会などによる主な提言及び提言を受けての施策について説明が行われた。
(4)消防団の組織としての将来像、望まれる姿、方向性等に関する検討について

○消防団の現状について

  • 全体に占める被雇用者の団員の割合が大きいが、地方の中堅企業や都市部の大企業に求められる機能を検討する意味でも構成比を知りたい。まずは、現状がどうなっているか把握したい。
  • 一般に、大都市では常備消防が充実しているが、人口密度の低い地域では、消防団が常備消防と同等の力を有している場合もあり、消防のみならず地域の中核的な存在となっている。

○既往の実施施策の成果や成功事例について

  • 消防団にかかる既往の実施施策での効果や成功事例について教えて欲しい。
  • 効果があったものとしては、特に女性団員の増加があげられる。消防団のネーミングや制服・帽子のデザインの全面見直し等も入団にかかるイメージアップにつながったのではないか。
  • 成功事例としては、機能別消防団として松山市で行なわれている災害時の郵便局職員による情報収集活動があげられる。

○求められる消防団機能や役割について

  • 災害の発生時刻やその時刻の団員の所在場所を整理して、機能を検討していく必要がある。
  • 今後の世の中の状況の変化も踏まえた機能の検討も必要である。
  • 大規模な自然災害と一般の火災では考え方が異なる。これらに対する消防団の機能について検討が必要である。
  • 常備消防と消防団(非常備消防)との構成の問題があり、地域の実状に合わせて考える必要がある。
  • 常備消防から見たニーズ、つまり、消防団(非常備消防)にどのような機能を求めているかを整理することも必要である(何が必要で、何が足手まといになっているのか等)。常備消防の補完的役割を担うことも考えられるし、常備消防にできない、もしくは不得手なことを消防団が担っていくことも考えられる。
  • お祭りの警備や子供の通学の見張り等、あらゆるものが消防団に期待されているが、何から何まで消防団が行うのは困難な面もある。
  • ロサンゼルスでは、消防団員が、住民に対してチェーンソーの使用方法を教えているという例もあり、平常時に消防団が防災における最低限の教育を担うことも良いと思われる。
  • 定年退職者、女性、学生等の様々な層が参加しやすい組織が必要である。つまり、体力や勤務形態等を踏まえた組織が必要である。たとえば、自衛隊は、正規の自衛官、予備自衛官、若年層からなる予備自衛官補、自衛官と予備自衛官のOBからなる即応自衛官で組織されていると聞く。

○消防団入団促進策について

  • 若年層人口の減少といった少子・高齢社会の影響は避けられないが、若い世代の入団を促進する必要がある。
  • 消防団員を増やそうとしている消防庁(国)と、必ずしもそうではない市町村との間に乖離があるのではないか。
  • 消防庁のみならず、各消防本部が、積極的に入団を働きかけることが重要である。
  • 市区町村職員の消防団への入団促進も必要ではないか。
  • 従前より、消防庁から各地方公共団体へ働きかけており、現行の公務員の入団状況は、公務員全体で約8万5,000名(国家公務員約2万名、地方公務員6万5,000名)である。
  • 消防団に入団すると、救急救命士の資格がとりやすくなる等のインセンティブの付与も入団促進に繋がるのではないかと考えられる

○戦略検討の方針について

  • 災害の発生時刻や団員の所在場所によっては、いつでもすぐに被災現場へ出動できる消防団員とそうではない消防団員がおり、これに対する処遇面での配慮(差をつける)や訓練での配慮(差をつける)も必要である。
  • 地域によって実状が異なることから、画一的なやり方はよくない。戦略にも地域特性を盛り組む必要があるのではないか。
  • 企業社員の消防団での活動については、内閣府中央防災会議で推進されている企業の事業継続との整合性を図る必要がある。
  • 消防団のイメージは停滞してきている(消防団は何をやっているのか、まだあるのか、という状況にある)。まずは、消防団の活動、実状を国民に知ってもらうことが必要だ。
  • 消防組織のための消防団というのではだめだ。実際には防犯、福祉等の役割を有し、地域に期待されており、住民自治の観点から、戦略を考えていくことも必要ではないか。
  • 消防団は、地域自治の原点ともいえる。

○企業における消防団への協力の取り組み

  • 経団連では、防災に関する委員会を設けて積極的に検討している。
  • 消防団は、災害のみならず、武力攻撃事態等でも役割を有している。安全・平和なくして、繁栄なしという認識の下、経済団体である経団連の企業への対応に関して教えてほしい。
  • 経団連では国内外への災害救援や援助に取り組んでおり、企業のCSRの観点での自発的な協力支援を促している。
  • 東京都23特別区などの都市部においては、大企業に勤務する社員の入団が必要であると考える。そのためには、経営者の意識が重要である。安全の上に経済活動が成り立っているのだから、消防団活動をボランティアというよりも義務として考える必要があるのではないかと思われる。
(5)その他
 次回委員会までに、事務局より論点になりそうな事項を整理して示す旨、説明が行われた。