審議会

地域総合防災力の充実方策に関する小委員会

第4回 議事概要

■実施概要

日時:
2008年8月20日(水) 10:00~11:30
会場:
虎ノ門パストラル 新館6階「ロゼ」
委員:
秋本小委員長、上田委員、小川委員、小林委員、高梨委員、青山専門委員、石垣専門委員、金井専門委員、斎藤専門委員、山﨑専門委員、吉田専門委員
オブザーバー:
消防審議会会長 吉井博明氏
消防庁:
消防庁長官以下17名

● 次第

  • 開会
  • 議事
    • ・地域総合防災力の充実方策について(素案)
  • その他
  • 閉会

● 会議経過

事務局から議事事項の報告後、質疑応答及び意見交換が行われた。主なものは次のとおり。

○ 防災力の担い手について

  • 地域の過疎化や高齢化が進んでいく中で、消防団の役割をもう一度今日的に捉えなおして位置付けていくことが重要ではないか。
  • ドイツの青少年消防の年齢は10歳~18歳だが、日本の消防少年クラブは10歳~15歳までなので、それを高校生の年齢まで上げることを検討してもよいのではないか。
  • 地域防災力というテーマにおいて担い手が重要であることは共通認識であると思われる。ある調査によれば、防災に関して地域のリーダーになる意向があると答えた人は、全体の1割という結果が出ており、そういう人達を掘り起こすことが重要ではないか。

○ 常備消防、消防団等それぞれの担い手の充実強化

  • 退職後の消防職員が、地域の防災に関係する団体に対しての指導的な役割・責務を負うことができないか。
  • 消防団員がサラリーマン化しており、参加する気持ちがあっても活動しにくい実情があるので、活動しやすい環境づくりが必要ではないか。
  • 地域の消防団確保が重要な課題であるが、税制上の措置にはどのようなものがあるのか。
    → 消防団協力事業所に対し事業税の一部を免除するという長野県の例がある。
  • 消防団への入団環境の改善を図ることであるとか、消防団の処遇改善が課題であると書かれているが、例えば消防団員が活動中にけがなどをした場合の補償というのはどうなっているのか。
    → 消防団の公務災害については、消防団員等公務災害補償等共済基金により補償されている。
  • 消防団の役割を増やしていくことにより、消防団自身の負担増にならないか。
  • 国が安全を旗印に考えるのなら、消防団の資機材や技能訓練を充実強化し、消防団の必要性をもっと示してもよいのではないか。
  • 現在は消防団員が管轄地域の外で活動をすることはできないが、技能を持った消防団員の中で意志がある人が管轄外に応援に行くことができように差別化を図ってもよいのではないのか。
  • 水防団と消防団は所管している法律が異なるが、地域における活動では同じような機能を果たしているので、総合的防災力という観点で今後長期的に考えるのであれば、法制度的な検討を行ってもよいのではないか。
    → 消防団も水防団も市町村長の指揮命令のもとにある組織であるため、総合的な地域防災力という観点からすれば、一本化するという議論はあるが、現在は所管している法律等が異なるため、今後の課題として考えていきたい。

○ 担い手間・地域間の連携協力

  • 個人情報保護法等により地域住民間でコミュニケーションをとることが難しくなっている中で、多くの住民はメディアを通じて情報を得ていると思うので、マスコミからも防災対策等に係る情報を積極的に発信していってほしい。
  • 女性消防団員が応急手当の指導を行っているところもあるようだが、応急手当に加え、最近関心の高い高齢者の介護技術を習得させることも必要ではないか。
  • 消防の広域化ということを考えると、石油コンビナート関係の事業者の自衛消防隊といった専門消防に準ずるところからの広域応援のようなものを考えてはどうか。
  • 国・都道府県・市町村のそれぞれの責務を明確にする必要があるのではないか。全体的に市町村の役割が大きいようだが、都道府県も大きな役割を果たさなければならないのではないのか。

○ 防災力強化のための具体的方策 ≪物的基盤の整備≫

  • 地域の総合防災力を高めるために、人や制度を充実させることも重要ではあるが、ハード面の強化のような民間または個人で出来ることを促進することも重要ではないのか。
  • 消防団の役割が多面的になれば、それに伴い必要な資機材も多様になるとともに、技術も磨いていかなければならないが、現在消防団が置かれている環境下では、そのような対策を適切に講じていけるか、大変心もとないので、地域や市町村に任せるだけでなく、国としても支援をしてほしい。

○ 防災力強化のための具体的方策 ≪人的能力の向上≫

  • 消防庁では調査研究についてどのように考えているのか。
    → 消防研究センターでは、日頃の研究に加え、救助支援、火災原因調査等を行うために、研究員を直接被災地へ出向させているが、そこで日々変わりゆく災害の形態、疑問点などを研究員自らの肌で感じ取り、認識を深めていくことによって、今後何を研究していけばよいか考えていく姿勢が重要であると考えている。

○ 防災力強化のための具体的方策 ≪情報受発信能力の向上≫

  • 首都直下地震が発生したときには、上空に400機のヘリコプターが飛びまわると言われているが、そのような時に地上で活動する消防団も含めて周波数の統一された無線機が配備されていれば、有効であるし、また無線機を消防団員が持ち合わせていない場合でも、意志を伝える統一的な合図があればいいのではないのか。

● その他

次回小委員会開催までに、事務局より本小委員会の報告書案を整理して示す旨の説明が行われた。