審議会

消防審議会議事要旨

  1. 日時
    平成21年12月2日(水)10:00~12:00
  2. 場所
    ルポール麹町 3階「マーブル」
  3. 出席者
    委員
    吉井会長・秋本委員・新井委員・石井委員・小川委員 小出委員・島崎委員・善養寺委員・髙梨委員・渡邉委員
    幹事
    広島市消防局長・関係府省
    消防庁
    消防庁長官他18名
  4. 次第
    • (1) 開会
    • (2) 委員紹介
    • (3) 消防庁長官挨拶
    • (4) 議事
      「報告事項」
      1. 平成22年度消防庁概算要求について
      2. 平成21年度消防庁補正予算見直しについて
      3. 傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準について
      4. 大阪市浪速区個室ビデオ店火災を踏まえた防火安全対策について
      5. 老朽化消火器の破裂事故を踏まえた対応状況等について
      6. 本年の局地的大雨や台風を受けての消防庁の対応について
    • (5) その他
    • (6) 閉会
  5. 会議経過

    ・報告事項について、消防庁から説明がなされた後、質疑応答及び意見交換が行われた。主なものについては、以下のとおり。

    • ○杉並区で発生した居酒屋火災の場合、人が見ている目の前で火災が起こり犠牲者が発生しており、火災報知器の有無よりも、火気使用室での初期消火が重要であり、自動消火器の設置を義務づけるほうが必要ではないのか。早急に基準づくりを行い、既に技術的にできている自動的に初期消火出来るような仕組みを導入して、現実的に死者を防ぐ手当てを行っていく事が重要ではないのか。
      →新しい設備の技術的な有用性については、もちろん確認しなければならないが、実際に新たに設置する側の負担との関連についても、今回の事案を含めて引き続き検討したい。
    • ○大阪市の個室ビデオ店火災で亡くなられた方について、死因は判明したのか。予防行政のあり方に関する検討会では、どのような議論となっているのか。
      →死因については、手元に資料がないので改めて報告したい。検討会では、この事案は、仮眠中の方々による逃げ遅れが被害拡大の大きな要因で、特に避難通路の狭さが避難の障害になっていたのではないかという事が取り上げられ、その点を踏まえた基準の改正を中心に考えなければいけないとの議論になった。
    • ○小型のスプリンクラーのようなものについて、以前の審議会で話題になったが、現状はどうなのか。
      →グループホーム等の火災を踏まえ、今年の4月に消防法改正をし、自力避難が困難な方々の入っている小規模な福祉施設についてスプリンクラーの設置義務化を行った。その際、水道管に直結した比較的簡便型の設備で、経済的にも比較的安い負担ですむようなものも取扱うことができるような基準に改め、厚生労働省の補助制度などの適用も含め設置を促進している。
    • ○搬送システムが実際に命を助けるものになっていないのではないのか。
      →資料にある受入医療機関確保基準は、医学的に重篤な緊急対応が必要な患者さんというよりも、むしろ医学的には早期の対応は必要ないが、受入れ病院がなかなか決まらない方の受入れルールを決めようというものである。委員のおっしゃる傷病者の緊急性に応じた病院の選定システムは、厚生労働省と経済産業省が主体で、そのあり方について検討中であり、消防庁も検討に参画しており、システムを開発することで話が進んでいる。
    • ○消防防災ヘリの活用に関する検討会において、マニュアルのようなものは出来上がったが、実動訓練をして検証を行い、次へ進まなければ首都直下地震などの時に運用ができないのではないのか。
      →空中消火に関しては、かつて大規模に自衛隊にも協力をいただき、連携して実証実験を行った。先日も、兵庫県で行われた国民保護の訓練においてヘリでの重篤患者の県外搬送を行っている。今後も実効が上がるよう、訓練を行う際には、関係方面とできる限り共同・連携し、取り入れていきたい。
    • ○中国・九州北部豪雨により特別養護老人ホームの入居者7名が亡くなられた事に伴い、社会福祉施設等の災害対策を推進するための施設の立地条件や非常災害に対する具体的計画の策定の再点検をすることとなっているが、再点検を行う主体が、市町村は政令指定都市及び中核市となっている。あまり地価の高くない場所に特別養護老人ホームは結構多いはずだが、なぜ政令市と中核市に限っているのか。
      →政令市、中核市以外の地域は都道府県が行っており、全市町村をカバーしている。
    • ○老朽化消火器の破裂事故を踏まえ、9月17日に周知徹底の連絡が出て、その後、老朽化消火器の連絡・相談窓口を案内する通知も出て、住民が自主的に動けば相談窓口を教えるということになっているが、自分のところの消火器にも危険性があることに気がつかない人も多いのではないか。周知徹底は、具体的にはどのように行い、フォローはどのようにしているのか。
      →現実に老朽化した、あるいは腐食した消火器が目の前にある場合は、その処理方法が問題の中心であり、各消防本部の単位でメーカーごとの相談窓口をリストアップし、メーカーや代理店などの説明を周知していただくようお願いしている。また、一般的な消火器の破裂の危険性に関する周知としては、今回の通知を各消防本部や都道府県への周知だけではなく、記者クラブを通じて報道機関へも情報提供をし、報道機関からの問合せや協力依頼に対応している。
    • ○周知に関して、各人にもう少しきめ細かい周知は行われていないのか。
      →マスメディアを通じて行うのが、現実問題として、個々の方へは通じやすいと思うが、もう一つは、消費者窓口を含めた都道府県や市町村、消防本部による周知ということになる。各市町村、消防本部のホームページ等における注意喚起や、秋の火災予防運動などで、チラシなどの広報媒体を通じて住民の方々へ周知を行っていただいている。
    • ○内閣府・総務省で避難訓練の検討会を立ち上げたという事だが、ヘルスマネジメントと全く無縁のところで、実効性のあるものを作り上げることは考えにくい。日本医師会も参加できないのか。国民の命をどう守るか一緒に考えていきたい。
      →内閣府とともに検討会を実施しており、委員のご指摘も踏まえ、適宜専門家のご意見を伺って対応していきたい。
    • ○来年度予算の業務仕分けの資料の中で「耐震性貯水槽の補助金を昭和47年から続いており、特に補助を要するものでなく、先進的・高度なものとは言い難い」と書かれているが、消防の基本財となる設備なので、継続して対応していただきたい。
      →粘り強く趣旨を説明したが、仕分け作業の判定は不本意であるとともに力不足を感じている。国全体の財政を考えると非常に危機的な状況だが、委員の言われた趣旨を体して、なお努力したいと思う。
    • ○災害時要援護者の関係について、実態把握をしていくと、消防関係者や市町村職員などの方々が、参集途上や活動中に死亡する例もあるなど非常に危険な状況の中で支援活動を行っているので、支援者側の安全管理も視野に入れて検討いただきたい。
    • ○老朽化し過ぎた消火器の取扱いは、一般の方では危険なので警告を出すことは大事だが、通常の消火器の回収については、皆が慣染んでいる自治体のごみ収集のときに出せればよいようにするなど、ごみ行政と連携をした仕組みをつくるのは有効ではないかと思う。
    • ○地域のネットワークとかセーフティーネットとか、住民の安心・安全とかが各省庁横断的で、つまりオールジャパンで各省庁と地域がうまくネットワークが結べるようなものを考えて頂きたい。