令和2年版 消防白書

1.出火状況

(1)1日当たり103件の火災が発生

令和元年中の出火件数3万7,683件を1日当たりでみると、103件/日の火災が発生したことになる(附属資料1-1-9)。
出火件数について、その構成比をみると、建物火災が全火災の55.7%で最も高い比率を占めている(附属資料1-1-10)。
また、出火件数を四季別にみると、火気を使用する機会の多い冬季から春季にかけての出火件数が総出火件数の59.5%となっており、損害額の57.0%を占めている(附属資料1-1-11)。

(2)出火率は3.0件/万人

出火率(人口1万人当たりの出火件数)は、全国平均で3.0件/万人となっている(第1-1-2表)。
また、出火率を都道府県別にみると、最も高いのは青森県で4.7件/万人となっている。一方、最も低いのは、富山県の1.8件/万人で、同県は平成3年(1991年)以降連続して最も出火率が低くなっている(第1-1-3表)。

第1-1-2表 出火率、出火件数、人口及び世帯数の変化

(各年中)

第1-1-2表 出火率、出火件数、人口及び世帯数の変化

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 人口及び世帯数は、平成21年については3月31日現在の住民基本台帳、令和元年については平成31年1月1日現在の住民基本台帳による。

第1-1-3表 都道府県別出火率

(令和元年中)

第1-1-3表 都道府県別出火率

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 順位は出火率が高い都道府県から順に、1位、2位・・・47位としている。
3 人口は、平成31年1月1日現在の住民基本台帳による。

(3)火災覚知方法は119番通報が最多

消防機関における火災覚知方法をみると、火災報知専用電話(119番)*1による通報が70.4%と最も多い(第1-1-2図)。

第1-1-2図 火災覚知方法別出火件数

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

第1-1-2図 火災覚知方法別出火件数

(備考)
1 「火災報告」により作成
2 「その他」には事後聞知(消防機関が「このような火災があった」という通報を受けた場合をいう。)6,822件を含む。

(4)初期消火の方法は消火器の使用が最多

初期消火の方法をみると、消火器を使用したものが19.6%と初期消火が行われたものの中(その他を除く。)で最も高い比率になっている。一方で初期消火を行わなかったものは36.7%となっている(附属資料1-1-12)。

*1 火災報知専用電話:通報者等が行う火災や救急等に関する緊急通報を、消防機関が受信するための専用電話をいう。なお、電気通信番号計画において、消防機関への緊急通報に関する電気通信番号は「119」と定められている。

関連リンク

令和2年版 消防白書(PDF版)
令和2年版 消防白書(PDF版) 令和2年版 消防白書 (一式)  令和2年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 新型コロナウイルス感染症対策  特集3 消防団を中核とした地域防...
はじめに
はじめに 昨年は、令和2年7月豪雨や台風による自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、消防活動においても救急隊をはじめとして感染防止の徹底など様々な対応が求められました。 ...
1.令和2年7月豪雨による被害及び消防機関等の対応状況
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和2年7月豪雨による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和2年7月3日から31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖...
2.令和2年台風第10号による被害及び消防機関等の対応状況
2.令和2年台風第10号による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和2年9月1日21時に小笠原近海で発生した台風第10号は、発達しながら日本の南を西北西に進み、5日から6日にかけて大型で非常に強い勢力で沖縄地方...