令和4年版 消防白書

5.消防法令違反の是正の徹底

令和3年12月に大阪市北区で発生したビル火災を受けて、全国の消防本部が同様の防火対象物に対する緊急立入検査を実施した結果、避難施設、防火戸及び消防用設備等の維持管理状況に相当数の不備が認められた。そのため、直通階段が一つの防火対象物において火災の発生及び拡大するリスクを徹底的に減らす観点から、消防法令違反が確実に是正されるよう立入検査標準マニュアル及び違反処理標準マニュアルを令和4年11月に改正したところである(詳細はコラムを参照)。
さらに、令和4年2月に新潟県村上市で発生した工場火災では、当該工場で過去に複数回の火災が発生していたにもかかわらず、防火管理体制や消防用設備等の維持管理について十分な改善が図られなかったことから、これらのマニュアルでは、火災の再発防止のための防火管理体制の見直しや消防用設備等の適切な維持管理の徹底について確実に指導するよう見直しを行ったところである。
これらのマニュアルを踏まえて、消防機関における火災予防に関する適正な指導及び消防法令違反の是正を徹底していく。