令和4年版 消防白書

3.大規模災害への対応

大規模な自然災害の発生等に伴い、危険物施設において流出事故等が発生した場合には、周辺住民の安全や産業、環境等に対して多大な影響を及ぼすおそれがあることから、適切に安全確保を図る必要がある。一方、災害時の応急対策や復旧の段階において、ガソリン等の燃料の緊急的な供給、被災地の危険物施設や関係者の負担軽減等を図るため、消防法令の弾力的な運用が求められている。
風水害対策については、令和2年3月に危険物施設の形態別による対策上のポイントやチェックリストを「危険物施設の風水害対策ガイドライン」として公表し、令和3年3月にはガイドラインの更なる利活用を目的に、対策を実行する際の初動対応に関するフローチャートを追加した。
さらに、小規模な屋外貯蔵タンクについて、東日本大震災の際の津波や、近年の風水害に伴い、タンク本体や附属配管が破損し、石油類が流出する事例が散見されることを踏まえ、令和2年度から3年度にかけて「屋外貯蔵タンクの津波・水害による流出等防止に関する調査検討会」を開催し、津波・水害に対する小規模な屋外貯蔵タンクの流出等防止対策の検討を行った。この検討会で提案する対策工法を、事業者等が津波・水害対策として活用できるよう、令和4年3月に「小規模屋外貯蔵タンクの津波・水害対策工法に係るガイドライン」として公表した。