令和4年版 消防白書

はじめに

昨年は、令和4年3月16日に発生した福島県沖を震源とする地震や令和4年台風第14号などの自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。
また、新型コロナウイルス感染症対策として、救急搬送困難事案などへの対応が求められたところです。
近年、気候変動の影響により激甚化・頻発化する風水害や、切迫する大規模地震・津波災害、火山災害等に備えるため、防災・減災、国土強靱化の取組を進めることが重要であり、国民の生命、身体及び財産を守る消防の果たす役割は益々増大しています。
令和4年版消防白書では、特集として、近年の大規模自然災害を踏まえた消防防災体制の整備のほか、新型コロナウイルス感染症対策、消防団を中核とした地域防災力の充実強化、消防防災分野におけるDXの推進、令和4年10月4日及び11月3日の北朝鮮による弾道ミサイル発射に伴う対応について記載しています。
また、本編の第1章以下では、火災や風水害をはじめとする各種災害の現況と課題、消防防災の組織と活動、国民保護への対応、自主的な防火防災活動と災害に強い地域づくり、国際的課題への対応及び消防防災の科学技術の研究・開発について記載しています。
この白書が、消防防災に対する国民の皆様のご理解を深め、国や地方公共団体だけではなく、住民、企業も含めた総合的な消防防災体制を確立するに当たって、広く活用いただけることを願っています。
なお、検討状況や統計資料等については、特に断りがない限り、令和4年10月末の状況を基に記載しています。
令和5年1月