令和7年版 消防白書

林野火災対策の現況と課題

1.林野火災の出火防止対策

林野火災の出火原因は、例年、たき火、火入れ、放火(放火の疑いを含む。)等人的要因によるものが大半を占めており、また、林野火災の消火には多くの困難を伴うことから、林野火災対策は、特に出火防止の徹底が重要となっている。

(1)林野火災に対する警戒の強化

消防庁では、「林野火災に対する警戒の強化について」(令和7年1月8日消防特第1号)を発出し、次の事項に重点を置いて出火防止対策を推進している。
〔1〕ハイカー等の入山者及び地域住民等に対し、新聞、テレビ、ラジオ、広報誌、ホームページ等を通じ、たき火の火の始末の徹底、たばこの投げ捨て、火遊びの禁止等について広報すること。
〔2〕火入れの実施者及び作業者に対し、火気取扱いに関する届出等の市町村条例の遵守、初期消火の準備、気象状況等を踏まえた火入れの実施等について指導すること。
〔3〕林業関係者に対し、日頃からの森林保全管理等の林野火災予防を適切に図るよう注意喚起するとともに、林内作業者に対し、火気管理の徹底について指導すること。
また、毎年、林野庁と共同で、春季全国火災予防運動期間の3月1日から7日までを全国山火事予防運動(詳細は第4章防火防災意識の高揚1.(3)を参照)の統一実施期間としており、令和7年においても統一標語を定め、ポスター、インターネット等の各種広報媒体を用いた広報活動や消火訓練等を通じた山火事予防を呼び掛けている。
さらに、平成30年から林野火災の優良な予防対策の事例や実災害から得られた知見等を広めることを目的に、都道府県林野関係部局や消防本部等を対象とした「林野火災対策説明会」を開催している。

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

山火事予防ポスター

山火事予防ポスター

 

(2)林野火災注意報・林野火災警報の創設・的確な発令

消防庁では、令和7年2月26日に発生した大船渡市林野火災を受けて、林野庁と共同して開催した「大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会」(以下、本節において「検討会」という。)の報告書を踏まえて火災予防条例(例)(昭和36年11月22日自消甲予発第73号)を改正することにより、林野火災予防の実効性を高めることを目的とした林野火災注意報、林野火災警報及びたき火の届出の位置づけを行った。
市町村においては、これらを火災予防条例に位置づけるとともに、検討会報告書でも言及された林野火災注意報・林野火災警報の的確な発令、たき火の届出及び森林法に基づく火入れの許可制度を通じた消防機関による把握・防火指導、広報・啓発や警戒の実施等を確実に実施していくことにより、林野火災を予防していくことが求められる。