令和7年版 消防白書

Topics 2 消防における女性の活躍推進に向けた取組

消防庁では、令和7年度に、消防本部における女性活躍推進に関する検討会を開催し、消防における女性活躍を推進している。

■消防本部における女性活躍推進の現状

消防本部においては、昭和44年に初めて女性消防吏員の採用が始まり、平成6年には「女子労働基準規則」の一部が改正され、消防分野における深夜業の規制が解除された。これにより、女性消防吏員も24時間体制で消防業務に従事できるようになり、少しずつ女性消防吏員の増加や、職域の拡大が図られてきた。令和7年4月1日現在、全国の女性消防吏員の数は6,386人で、全消防吏員に対する割合は3.8%、また、女性消防吏員が一人もいない消防本部は、令和7年4月1日現在で69本部となっており、全国で活躍する女性の消防吏員は年々増加している。

トピックス2-1図 女性消防吏員割合の推移

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トピックス2-1図 女性消防吏員割合の推移

 

このような中、消防本部における取組を一層充実させるため、女性消防吏員の確保、育成及び職域拡大を更に推進していくための方策や、性別、年齢を問わず全ての消防吏員が継続して勤務できる働きやすい職場環境づくりのための方策について検討を行うことを目的に、消防庁において「消防本部における女性活躍推進に関する検討会」を令和7年4月から開催した。

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会議の様子

会議の様子

トピックス2-2図 採用者の状況

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トピックス2-2図 採用者の状況

 

■女性消防吏員の活躍推進に向けた今後の取組

消防本部における女性活躍推進について、次の取組が提言された。

1 女性消防吏員の比率に関する目標の設定

女性消防吏員の増加、活躍推進を着実かつ強力に進めていくためには、各消防本部が女性消防吏員数についての数値目標を設定する必要があるが、組織の規模や地域特性、女性専用施設の整備状況など消防本部によってばらつきがあり、採用試験についても各市町村等で行われている状況にある。
このことを勘案すると、全国統一の目標を設定するのではなく、消防庁が目安となる目標を掲げつつ、各消防本部が実状を踏まえた自律的な目標を設定することが適当であり、これにより無理のない計画的な増員が可能となる。
また、目標を設定するだけでなく、目標達成に向けた取組の内容や達成状況等を踏まえて各消防本部において適宜検証を行い、必要に応じて目標の見直しを図ることも必要である。
数値目標を更新するにあたり、国内の他機関や諸外国の消防機関における女性比率が既に10%であることを考慮すれば、女性消防吏員の比率についても、目指すべき将来的な到達点、通過点として「10%」という数値は十分に実現可能なものであるが、現状、女性採用者の比率が7%程度にとどまり、消防本部間のばらつきも大きいことを踏まえると、まずは何よりも「採用段階」での女性の比率を早期に引き上げることが最優先課題といえる。
そのため、目指すべき将来的な女性消防吏員の比率目標を掲げつつ、そこに向けてまずは女性採用者の比率について具体的な数値目標を設定し、その達成を通じて中長期的に女性消防吏員の比率を引き上げていくことが適当である。
以上のことを踏まえ、消防庁が掲げる消防本部全体の目安となる女性消防吏員の比率に関する目標を以下のとおり設定した。

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女性消防吏員の比率に関する目標

 

2 女性消防吏員の確保のための方策

・今後広報を実施していくべき対象や媒体の明確化
就職期の女性に消防を就職の選択肢として考えてもらうためには、より早い時期から消防業務を認知してもらうことが重要であるため、小、中学生といった若年層に対しても積極的に広報を実施することが効果的である。
また、広報媒体としてデジタル媒体を活用することで、幅広く情報を拡散できるとともに、消防業務について認知していない潜在層に対する広報効果が期待できる。

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・採用試験の見直し
女性消防吏員を増加させるためには、他の官公庁や民間企業等からの転職希望者や、消防への復職希望者の確保にも取り組んでいく必要があることから、採用試験において年齢要件を緩和することや経験者採用区分等を設定することも有効である。

・採用試験合格者の採用辞退を防ぐための取組
採用試験合格者の採用辞退を防ぐためには、採用試験合格後も継続的にアプローチする必要があることから、業務説明会や面談等を通じた採用試験合格者に対するフォローを実施することも有効である。

・離職防止のための取組
消防吏員を増加させるためには、離職防止にも取り組んでいく必要があることから、採用10年未満の若手職員に対する離職防止を目的とした研修、職場ミーティング等の継続実施、高齢期職員の活躍維持に向けた取組、適材適所の配置等が重要である。
また、管理職員の離職防止に対する意識の醸成や若手職員等とのミーティングのスキルを向上させるための研修等を実施することも有効である。

3 女性消防吏員の働きやすい職場環境づくりのための方策

・女性専用施設等の整備
女性消防吏員の働きやすい職場環境づくりに向け、女性消防吏員の意見等を踏まえた機能性や利便性を考慮した施設の整備や改修を実施することが重要であり、また、女性消防吏員の意見等を踏まえ、性別や体格等による影響を受けない小型化、軽量化及び電動化された資機材の整備も有効である。

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仮眠室

女性専用エリア

消防庁舎における女性専用施設等の整備に対する財政措置

・女性消防吏員等が働きやすい勤務制度等の導入
全ての消防吏員が働きやすさを感じることのできる職場をつくるためには、出産、育児、介護等に伴い様々な働き方が選択できる環境を整備することが重要であり、テレワーク制度やフレックス・タイム制度の導入、託児制度の導入、休暇・休業の取得や各種制度の利用等について相談できるメンター・相談員を導入することなども効果的である。

4 女性消防吏員の育成や職域拡大を推進するための方策

・昇任に対する不安の解消
女性消防吏員の今後のキャリア形成の支援に向け、キャリアパスイメージやロールモデルの提示、女性管理職員によるメンター制度の導入、管理職員のワークライフバランスの推進、幅広い業務への配置転換による能力開発、育児休業者などの復職者等に対するサポート体制の導入などが効果的である。
また、ロールモデル等の提示が難しい場合には、近隣の消防本部等と連携し、女性消防吏員どうしが定期的に情報共有や意見交換できる場を創設することも効果的である。

・交替制勤務や災害派遣への携わりづらさの解消
女性消防吏員の交替制勤務や災害派遣への携わりづらさの解消に向け、女性消防吏員の要望を踏まえた小型化・軽量化資機材、災害派遣時の宿営用資機材の整備や女性消防吏員の意欲、適性を踏まえた能力開発、人事配置を実施することが効果的である。
また、女性消防吏員の職域拡大に対する管理職員の意識の醸成を目的とした研修等を継続的に実施することが重要である。

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女性消防吏員活躍推進アドバイザーによる講義

女性消防吏員活躍推進研修

女性消防吏員活躍推進アドバイザーによる講義