令和7年版 消防白書

Topics 4 簡易サウナ設備の特性に応じた防火安全対策

■概要

従来の浴場等に設置されるサウナとは異なり、屋外においてテントやバレル(木樽)の中に放熱設備(サウナストーブ)が設置される簡易なサウナが全国で増加している。
従来の消防法令で規定するサウナ設備(サウナ室に設ける放熱設備)の設置基準は、浴場・宿泊施設等の建物内(サウナ室)に固定式の設備として設置することを想定した内容となっており、例えばサウナストーブと建築物・可燃物との離隔距離について現行基準を当てはめた場合、簡易なサウナでは狭いテント内等への設置に当たって支障があるとの声があった。
こうした背景を踏まえ、消防庁では令和6年度に検討会を開催し、簡易なサウナの中でも特に需要が高いテント型サウナ及びバレル型サウナについて、実験等により安全性の検証を行い、その特性に応じた火災予防対策を取りまとめた。

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テント型サウナ バレル型サウナ

テント型サウナ

バレル型サウナ

 

■簡易サウナ設備の特性に応じた防火安全対策

(1)簡易サウナ設備を消防法令上に位置付け
簡易なサウナに設ける放熱設備(サウナストーブ)は、従来の浴場等に設ける設備と異なる点が多いことから、消防法令を改正し、以下の全ての要件に該当するものについて、新たに「簡易サウナ設備」として位置付けることとした。
・屋外その他の直接外気に接する場所に設けるサウナに設置すること。
・テント型サウナ又はバレル型サウナに設置すること。
・定格出力が6キロワット以下であること。
・熱源は薪又は電気であること。

(2)放熱設備と周囲の可燃物との間の離隔距離
放熱設備(サウナストーブ)と周囲の可燃物との離隔距離として、従来のサウナ設備については、可燃物の表面温度が100°Cを超えない距離を保つことが求められている。これは、長期間の加熱により可燃物が変質して内部に熱が蓄積しやすくなり、表面温度が100°C程度の比較的低い温度でも出火する危険性(いわゆる低温着火)が生じることを考慮したものである。
一方、簡易サウナ設備については、熱量が比較的小さく、屋外など外気に開放されている場所に設置されており、構造・材質や使用形態等の特性を考慮すると、低温着火は一般的に生じ難いと考えられる。このため、簡易サウナ設備については、放熱設備(サウナストーブ)と周囲の可燃物との離隔距離として、可燃物が引火しない距離(可燃物の表面温度が200°C~300°Cを超えない距離に相当)を保つことで足りることとした。
このことにより、火災予防を図りつつ、離隔距離を短くすることができ、テントやバレルの狭い空間に放熱設備(サウナストーブ)を設置することが可能となるものである。

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サウナストーブ

サウナストーブ

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サウナ室内の温度状況(テント型) サウナ室内の温度状況(バレル型)

サウナ室内の温度状況

■今後の対応等

消防庁においては、上記の見直しを図るため、対象火気設備等の位置、構造及び管理並びに対象火気器具等の取扱いに関する条例の制定に関する基準を定める省令(平成14年総務省令第24号)、対象火気設備等及び対象火気器具等の離隔距離に関する基準(平成14年消防庁告示第1号)及び火災予防条例(例)(昭和36年自消甲予発第73号)について、所要の改正を行ったところである(令和7年11月12日公布、令和8年3月31日施行)。
このことを踏まえ、各市町村において、火災予防条例の改正が行われる予定である。
消防庁では、関係団体等と連携・協力し安全管理の徹底を図るとともに、今後とも火気設備等の開発・導入状況を注視し、火災予防の取組を推進していくこととしている。