平成20年版 消防白書

[危険物行政の課題]

1 官民一体となった事故防止対策の推進

危険物施設の火災・流出事故は、平成6年ころを境に増加傾向に転じ、平成19年には過去最多の603件を記録している。このような状況を踏まえ、関係業界や消防機関等により構成される「危険物等事故防止対策情報連絡会」において策定された「危険物事故防止アクションプラン」に基づいて、事故に係る調査分析や事故防止技術の調査研究、各種情報の共有化を進めるとともに、各都道府県における事故防止の取組など、官民一体となって事故防止対策を推進していく必要がある。
また、産業災害の背景要因として、人員や設備投資等の削減、雇用形態の変化や保守管理業務のアウトソーシング等が指摘されていることから、幅広い視点からの実態把握による有機的な対策を講じ、各事業所の実態に応じた安全確保を図るため、危険要因を把握して、これに応じた対策を講ずる必要がある。

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