平成20年版 消防白書

平成19年以降の主な地震の概要

平成19年1月から平成20年10月までの地震災害の概要は、以下のとおりである。

h20902.gif

(1)平成19年(2007年)能登半島地震

平成19年3月25日9時42分、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.9の地震が発生した。
この地震により、石川県七尾市、輪島市、穴水町で震度6強、石川県志賀町、中能登町、能登町で震度6弱、石川県珠洲市で震度5強、新潟県刈羽村、富山県富山市、滑川市、舟橋村、氷見市、小矢部市、射水市、石川県羽咋市、宝達志水町、かほく市で震度5弱を記録した。
その後、同地方を震源とする震度4以上の余震が13回観測された。
この地震による被害は、石川県を中心に、死者1人、負傷者356人、住家の全壊684棟、半壊1,733棟、一部破損26,935棟となっている(平成19年12月28日現在)(第1-6-2表)。

h20903.gif

(2)三重県中部を震源とする地震

平成19年4月15日12時19分、三重県中部を震源とするマグニチュード5.4の地震が発生した。
この地震により、三重県亀山市で震度5強、三重県鈴鹿市、津市、伊賀市で震度5弱を記録した。
その後、同地方を震源とする震度4以上の余震が1回観測された。
この地震による被害は、三重県を中心に、負傷者13人、住家の一部破損122棟となっている(平成19年4月23日現在)(第1-6-3表)。

h20904.gif

(3)平成19年(2007年)新潟中越沖地震

平成19年7月16日10時13分、新潟県上中越沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。
この地震により、新潟県長岡市、柏崎市、刈羽村、長野県飯綱町で震度6強、新潟県上越市、小千谷市、出雲崎町で震度6弱、新潟県三条市、十日町市、南魚沼市、燕市、長野県中野市、飯山市、信濃町で震度5強を記録した。
その後、同地方を震源とする震度4以上の余震が6回観測された。
この地震による被害は、新潟県を中心に、死者15人、負傷者2,344人、住家の全壊1,319棟、半壊5,621棟、一部破損35,070棟となっている(平成19年12月28日現在)(第1-6-4表)。

h20905.gif

また、この地震により柏崎刈羽原子力発電所で、3号機変圧器の火災が発生した。

(4)平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震

平成20年6月14日8時43分頃、岩手県内陸南部を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生した。
この地震により、岩手県奥州市、宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱、岩手県北上市、一関市、金ヶ崎市、平泉町、宮城県仙台市、名取市、登米市、利府町、加美町、涌谷町、美里市、秋田県湯沢市、東成瀬村で震度5強を記録した。
その後、同地方を震源とする震度4以上の余震が11回観測された。
この地震による被害は、岩手県及び宮城県を中心に、死者13人、行方不明者10人、負傷者451人、住家の全壊33棟、半壊138棟、一部破損2,181棟となっている(平成20年11月17日現在)(第1-6-5表)。

h20906.gif

(5)岩手県沿岸北部を震源とする地震

平成20年7月24日0時26分頃、岩手県沿岸北部を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。
この地震により、青森県八戸市、五戸町、階上町、岩手県野田村で震度6弱、青森県東北町、東通村、南部町、岩手県宮古市、大船渡市、北上市、久慈市、遠野市、一関市、釜石市、二戸市、八幡平市、奥州市、平泉町、大槌町、山田町、普代村、軽米町、洋野町、一戸町、宮城県石巻市、気仙沼市、栗原市、大崎市、涌谷町、美里町で震度5強、青森県十和田市、三沢市、野辺地町、七戸町、おいらせ町、岩手県盛岡市、花巻市、陸前高田市、葛巻町、滝沢村、紫波町、矢巾町、金ヶ崎町、藤沢町、住田町、岩泉町、田野畑村、川井村、九戸村、宮城県岩沼市、登米市、東松島市、亘理町、色麻町、南三陸町で震度5弱を記録した。
この地震による被害は、青森県及び岩手県を中心に、死者1人、負傷者211人、住家の全壊1棟、一部破損377棟となっている(平成20年11月17日現在)(第1-6-6表)。

h20907.gif

関連リンク

はじめに
はじめに 昭和23年3月7日に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする我が国の自治体消防制度が誕生してから、本年で60周年を迎えました。これを記念して、本年3月7日の消防記念日には、自治体消防制度60周年記念式典を開催し、我が国における消防の発展を回顧するとともに国民から消防に課せられた使命の重...
1 地域総合防災力の強化の必要性
特集 地域総合防災力の強化~消防と住民が連携した活動の重要性~ 1 地域総合防災力の強化の必要性 (1)切迫する大規模災害 我が国では平成20年度も、岩手・宮城内陸地震や相次ぐ水害など、全国各地で大規模な自然災害による被害が発生している。 集中豪雨が頻発していることや、東海地震、東南海・南海地震、首...
2 地域防災の中核的存在である消防団の充実強化
2 地域防災の中核的存在である消防団の充実強化 (1)消防団の役割~連携のつなぎ役~ 地域総合防災力の強化を考える上では、以下の点から消防団の役割が極めて重要となる。 第一に、消防団は「自らの地域は自らで守る」という精神に基づき、住民の自発的な参加により組織された住民に身近な存在であるという点である...
3 自主防災組織などの活動
3 自主防災組織などの活動 (1)自主防災組織 防災体制の強化については、公的な防災関係機関による体制整備が必要であることはいうまでもないが、地域住民が連帯し、地域ぐるみの防災体制を確立することも重要である。 特に、大規模災害時には、電話が不通となり、道路、橋りょう等は損壊し、電気、ガス、水道等のラ...