平成20年版 消防白書

[海上災害対策]

1 海上災害の現況と最近の動向

平成19年中の主要港湾(1船の総t数が1,000t以上のタンカーが平成19年1月1日から平成19年12月31日までの間に入港した実績を有する港湾をいう。)115港における海上災害で消防機関が出動したものは38件あり、このうち火災によるものが24件(全体の63.2%)、油の流出によるものが10件(全体の26.3%)ある。
 また、事故船舶の規模別では、1,000t未満の船舶が20件で全体の52.6%を占めている(第1-8-1表)。

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最近の主な船舶火災としては、平成14年10月1日に長崎港で建造中の客船「ダイヤモンド・プリンセス」において、ぎ装工事中に出火し、出火から鎮火まで36時間以上を要する火災が発生している。
また、平成14年11月26日には、伊豆大島において座礁していたバハマ船籍の自動車運搬船「ファルヨーロッパ号」で出火、大量の煙が発生したため、付近住民が一時的に自主避難をする事態となった。
油の流出災害としては、平成14年12月5日に茨城県日立港において、北朝鮮船籍の貨物船「チルソン号」が座礁し燃料油が流出する事故が発生している。

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