平成20年版 消防白書

消防広域化セミナーを全国各ブロックで開催

消防庁では、市町村の消防の広域化を推進するため様々な施策を展開しています。
 平成20年度は、都道府県が策定した消防広域化推進計画に基づき広域化対象市町村が広域化実現に向けた協議の第一歩を踏み出すことから、広域化対象市町村に対する具体的な助言等を行うことを目的として「消防広域化セミナー」を全国9ブロックで開催しました。

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セミナーは、学識経験者による基調講演、消防広域化推進アドバイザーによる事例発表、都道府県の取組の説明及び今後の広域化の進め方等の内容で実施しました。
 長野市及び旭川市で開催したセミナーの基調講演では、群馬県における常備消防の広域化に関する有識者懇談会における議論の経緯などが紹介され、現場の実情を踏まえながら懇談会において活発な議論が行われたことや、消防力の強化という観点から消防の広域化が必要であるとの提言に至ったことが説明されました。

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 また、藤沢市及び広島市のセミナーでの事例発表では、新潟市の広域化事例が紹介され、消防の広域化実現は、想定される課題の抽出と分析を行い、具体的なシミュレーションを行った上で、広域化後の短期、中期、長期的なビジョンを策定することが必要であることなどが説明されました。

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今後、今回開催したセミナーが広域化実現へ向けての一つの契機となり、それぞれの地域で自らのまちの将来の消防体制について、活発な議論が行われ、消防の広域化への機運が高まることを期待するとともに、消防の広域化が着実に進展するよう消防庁としても引き続き必要な支援を行ってまいります。

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