3 派遣実績
国際消防救助隊は、これまでに16回の海外派遣実績がある(第6-1表)。

平成16年12月に発生したスマトラ沖大地震・インド洋津波災害に際しては、タイ王国へ国際消防救助隊員46人を派遣し、検索救助活動やヘリコプターによる支援活動のほか、内務省職員に対する救助技術指導を実施するなど幅広い援助を実施した。
平成17年10月に発生したパキスタン・イスラム共和国地震災害においては、国際消防救助隊員13人を派遣し、救助活動を実施した。


また、平成20年5月に発生した中国四川省における大地震災害においては、国際消防救助隊員17人を派遣し、都市型災害救助技術を発揮して、学校、寄宿舎等の建物倒壊現場で救助活動を行った。
残念ながら生存者の救出には至らなかったものの、救助隊員の勤勉かつ真摯な救助の姿勢には、中国側から大いなる共感と謝意が示された。特に、犠牲者に黙祷を捧げる救助隊員の姿は日中両国に大きな感銘を与えた。
こうした国際消防救助隊をはじめとする国際緊急援助隊の活動は、日中友好にも大きく寄与することとなり、平成20年7月に北海道洞爺湖サミットのため来日した胡錦涛国家主席からは、派遣隊員の代表に対して直接謝辞が寄せられた。
消防庁では、これまでの国際消防救助隊の活動を検証し、より効果的な国際緊急援助体制の構築に取り組んでいる。

