平成23年版 消防白書

2 派遣体制

「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」に基づき、海外における大規模災害発生時に、被災国政府等からの要請に応じて我が国が実施する国際緊急援助の概要と救助チーム等の派遣の流れは、第5-1図及び第5-2図のとおりである。

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消防庁は、外務省からの派遣協力に関する協議に基づき、消防庁職員に国際緊急援助活動を行わせるとともに、消防庁の要請を受けた消防本部は、その消防機関の職員に国際緊急援助活動を行わせることができることとなっている。
また、国際緊急援助活動の協力要請に速やかに対応するため、77消防本部に所属する救助隊員599人(平成23年10月31日現在)を消防庁に登録するなどの即応体制がとられている。
平成23年には、外国での救助活動に関する国際的な指針(IEC*1)を踏まえ、海外での救助活動を行う上で国際消防救助隊員が身に付けておくべき知識、技術を教育し、また、登録隊員が一丸となった即応体制の強化を図るため、消防庁は、全国を3ブロックに分け国際消防救助隊の実戦的訓練を実施する。

*1 IEC:INSARAG(国連国際捜索救助諮問グループ)が設けている救助能力の分類基準で、外国での災害救助に派遣される各国の救助チームの活動を調整し、円滑な連携を図るための指針となるもの。具体的には、各国救助チームの能力(チーム体制、訓練体制、携行資機材のレベル、隊員の活動能力等)に応じて軽(Light)・中(Medium)・重(Heavy)の3段階に格付けされる。

日本の国際緊急援助隊救助チームは、平成22年3月に重(Heavy)に認定されている。
実施場所及び実施期間
1 大阪会場 平成23年10月18日(火)から21日(金)
2 福岡会場 平成23年11月8日(火)から11日(金)
3 東京会場 平成23年12月2日(金)から5日(月)

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