平成28年版 消防白書

1.出火状況

(1) 1日当たり107件の火災が発生

平成27年中の出火件数3万9,111件を1日当たりでみると、107件の火災が発生したことになる(第1-1-2表)。

第1-1-2表 1日当たり及び1件当たりの火災の状況

(2) 建物火災が全火災の56.8%で最多

平成27年中の出火件数について、その構成比をみると、建物火災が全火災の56.8%で最も高い比率を占めている(第1-1-3表)。

第1-1-3表 出火件数の構成比率
第1-1-3表

(3) 冬季・春季の火災による損害額が多い

平成27年中の出火件数を四季別にみると、火気を使用する機会の多い冬季から春季にかけての出火件数が総出火件数の57.7%となっており、損害額の55.5%を占めている(第1-1-4表)。

第1-1-4表 四季別出荷状況

(4) 出火率は3.1件/万人

平成27年中の出火率(人口1万人当たりの出火件数)は、全国平均で3.1件/万人となっている(第1-1-1表、第1-1-5表)。また、出火率を都道府県別にみると、最も高いのは青森県の4.5件/万人となっている。一方、最も低いのは、富山県の1.7件/万人で、同県は平成3年(1991年)以降連続して最も出火率が低くなっている(第1-1-6表)。

第1-1-5表 出火率、出火件数、人口及び世帯数の変化
第1-1-6表 都道府県別出火率

(5) 火災覚知方法は119番通報、初期消火方法は消火器が最多

平成27年中の消防機関における火災覚知方法についてみると、火災報知専用電話(119番)*1による通報が68.3%と最も多い(第1-1-2図)。また、初期消火の方法についてみると、消火器を使用したものが20.5%と初期消火が行われたもの(25.8%)の中(その他を除く。)で最も高い比率になっている。一方で、初期消火を行わなかったものは36.8%となっている(第1-1-7表)。

第1-1-2図 火災覚知方法
第1-1-7表 初期消火における消防用設備等の使用状況

*1 「火災報知専用電話」とは、通報者等が行う火災や救急等に関する緊急通報を、消防機関が受信するための専用電話をいう。なお、電気通信番号規則において、消防機関への緊急通報に関する電気通信番号は「119」と定められている。

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