平成28年版 消防白書

[国際協力・国際交流]

1.国際消防防災フォーラムの開催

近年アジア諸国では、経済発展・都市化が進む中、これまで以上に高度な消防・防災体制の構築が必要とされている。このため、人命救助、消火及び火災予防の技術や制度に関しても、これらの国々からの我が国の国際協力への期待は大きい。
このことを踏まえ、消防庁ではアジア圏内の国を対象に、消防防災能力の向上に資するため、我が国の消防技術、制度等を広く紹介する国際消防防災フォーラムを平成19年度から開催している。フォーラムは、対象国で広く消防防災関係者を集めて開催され、その内容は対象国の状況を勘案して、適宜決められる。
第9回となるフォーラムは、平成28年11月にマレーシアのスバンジャヤにおいて開催された。
マレーシアでは、急激な都市化や経済発展に伴い、大規模ビルや石油コンビナート等における火災や爆発のリスクの増大が懸念されており、消防体制の強化は優先課題であったため、消防庁からマレーシア政府の消防救助局にフォーラムの開催を提案し、その実現に至ったものである。
本フォーラムでは、災害対応事例、消防用機械器具認証制度、消防防災ICT等について情報共有や活発な意見交換が行われた。併せて、我が国の消防防災インフラシステムの海外展開を推進する取組の一つとして、日本企業による消防製品の紹介・展示を行ったところ、マレーシアの消防関係者から高い関心が示された。

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