4.派遣実績
国際消防救助隊の海外災害派遣は、「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」施行前の2回を含めこれまでに19回の実績がある(第5-2表)。このうち、直近3回の派遣概要は次のとおりである。

平成21年9月に発生したインドネシア西スマトラ州パダン沖地震災害においては、国際緊急援助隊救助チーム65人(うち国際消防救助隊員17人)を他の救援国に先駆けていち早く被災地に派遣し、最大の被災地となったパダン市街のホテル、市場等の建物施設倒壊現場において捜索救助活動を行った。

平成23年2月に発生したニュージーランド南島地震災害においては、ニュージーランド政府からの援助要請に先駆け、緊急調査チーム3人(外務省、東京消防庁及びJICA)を派遣した。その後、同政府からの援助要請を受け第1陣から第3陣まで合計128人の国際緊急援助隊救助チーム(緊急調査チーム含む。うち国際消防救助隊員33人)を派遣した。第1陣と第2陣は、クライストチャーチ市にあるCTVビル倒壊現場において捜索救助活動を行い、第3陣は、同市内8か所の損壊建物において捜索救助活動を行った。

平成27年4月に発生したネパール地震災害においては、国際緊急援助隊救助チーム70人(うち国際消防救助隊員17人)が派遣された。大地震の影響により現地空港が混乱していたため、救助チームが搭乗した航空機は当初の予定どおり到着できず、予定より1日遅れでの被災地入りとなったが、現地の日本大使館及びJICA事務所を通じて、事前に情報収集を行っていたため、これまでの派遣と比較し、到着後、最も迅速な救助活動の開始となった。救助チームは、旧王宮周辺、サクー、ゴンガブ地区等で捜索救助活動を行い、派遣期間は2週間に及んだ。これは、追加派遣を行わないものとしては、過去最長の派遣期間である。
