3.教育訓練
消防庁では、登録された国際消防救助隊員に対して、海外被災地での活動において必要とされる知識、技術(手法)の共有及びチームビルディング(連携)の向上を図るため、平成23年度に全国3会場(大阪会場、福岡会場及び東京会場)で、「国際消防救助隊の実戦的訓練」を実施した。
平成24年度からは、平成23年度に実施した上記訓練を踏まえて、登録消防本部間や関係機関との連携強化を図るため、「国際消防救助隊の連携訓練」を実施しており、平成28年度は、埼玉県さいたま市と岡山県岡山市で開催した。
また、派遣時に国際的なルールに準拠した活動を実施するため、その知識、技術を共有することを目的として、国際消防救助隊に登録している77消防本部を対象に捜索救助に関する国際的なガイドラインや活動時に必要となる技術に関する研修等を中心とした「国際消防救助隊セミナー」を実施している。
さらに、国際消防救助隊の指導体制の充実を図るため、消防から選出されている3人の国際緊急援助隊救助チーム技術検討員と国際消防救助隊指導員(東京消防庁及び各政令指定都市から各1人選出)を対象として、国際消防救助隊指導員会議を開催している(第5-1表)。

なお、日本の国際緊急援助隊救助チームは、平成22年3月に救助活動に関する国際的な能力評価(IEC*1)において、最高分類である「Heavy(ヘビー)」の評価を初めて受けた。その後、平成27年3月に更新評価(IER*2)を受検し、再び「Heavy(ヘビー)」の評価を受けている。
*1 IEC:INSARAG(国際捜索・救助諮問グループ)による救助能力の評価制度で、外国での災害救助に派遣される各国の救助チームの活動を調整し、円滑な連携を図るための参考となるもの。具体的には、各国救助チームの能力(チーム体制、訓練体制、携行資機材のレベル、隊員の活動能力等)に応じてMedium(ミディアム)・Heavy(ヘビー)の評価がなされる。
*2 IER:INSARAG外部再評価。INSARAGでは、IECの評価有効期間を5年と定めており、評価を更新するためには再受検する必要がある。