令和元年版 消防白書

2.南海トラフ地震・首都直下地震などへの対策、津波対策の推進

南海トラフ地震は、我が国で発生する最大級の地震であり、その大きな特徴として、極めて広域にわたり、強い揺れと巨大な津波が発生すること、津波の到達時間が極めて短い地域が存在すること、時間差をおいて複数の巨大地震が発生する可能性があること、南海トラフ巨大地震となった場合には、被災の範囲は超広域にわたり、その被害はこれまで想定されてきた地震とは全く様相が異なると考えられること等があげられる。
また、首都圏において大規模な首都直下地震が発生した場合には、政治、行政、経済等の中枢機能への障害や、我が国全体の国民生活及び経済活動に支障が生じるほか、海外への影響の波及や膨大な人的・物的被害も懸念される。
東日本大震災の教訓を踏まえて、あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波を想定し南海トラフ地震や首都直下地震などへの対策を推進していく必要がある。
また、市町村においては地域防災計画等における津波避難に関する事項の策定の促進など、津波対策を推進していくことが必要である。

関連リンク

令和元年版 消防白書(PDF版)
令和元年版 消防白書(PDF版) 令和元年版 消防白書 (一式)  令和元年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 G20大阪サミット及びラグビーワールドカップ2019における消防特別警戒等...
はじめに
はじめに 昨年は、令和元年8月の前線に伴う大雨や、台風第15号、台風第19号等の幾多の自然災害に見舞われ、また、7月には京都市伏見区で爆発火災が、10月には那覇市で首里城火災が発生するなど、多くの人的・物的被害が生じました。 振り返れば、平成は、阪神淡路大震災(平成7年)や東日本大震災(平成23年)...
1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年8月26日に華中から九州南部を通って日本の南にのびていた前線は、27日に北上し、29日にかけて対馬海峡付近から東日本に停滞した。また、この前線に向かっ...
2.台風第15号に伴う被害と対応
2.台風第15号に伴う被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年9月5日3時に南鳥島近海で発生した台風第15号は、発達しながら小笠原諸島を北西に進み、非常に強い勢力となって伊豆諸島南部へと進んだ。 台風は、強い勢力を保ったまま、同月9日3時前に三浦半島付近を通過し、5時前に千葉市付近に上...