令和元年版 消防白書

第10節 消防防災の情報化の推進

1.被害状況等に係る情報の収集・伝達体制の確立

大規模災害時には、地方公共団体が把握した災害の規模や被害の概況を国が迅速かつ的確に把握し、広域的な応援部隊の出動調整その他の災害応急対策を適切に講じることが重要である。
消防庁は、地方公共団体から迅速かつ的確に収集した災害情報を総理大臣官邸に設置される官邸対策室等へ速やかに報告する役割を担っており、このことは政府全体としての災害対応に不可欠な業務となっている。
また、地方公共団体からの各種災害情報を基に、緊急消防援助隊の運用調整等を実施し、被災地における効果的な消防応援の実施を図っている。
災害時の情報収集及び伝達を円滑に実施するためには、平素から確実な連絡体制を構築し、連絡手段を確立しておくことが極めて重要である。
消防庁では、消防組織法第40条の規定に基づき、災害の種別や規模に応じた報告の形式及び方法について「火災・災害等即報要領」を定め、速やかな報告が行われるよう努めている。
なお、市町村、消防機関からの報告については、都道府県を経由して報告する「即報基準」と、より迅速な報告を必要とする場合の「直接即報基準」がある(第2-10-1図)。

第2-10-1図 火災・災害等即報の概要

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

第2-10-1図 火災・災害等即報の概要

関連リンク

令和元年版 消防白書(PDF版)
令和元年版 消防白書(PDF版) 令和元年版 消防白書 (一式)  令和元年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 G20大阪サミット及びラグビーワールドカップ2019における消防特別警戒等...
はじめに
はじめに 昨年は、令和元年8月の前線に伴う大雨や、台風第15号、台風第19号等の幾多の自然災害に見舞われ、また、7月には京都市伏見区で爆発火災が、10月には那覇市で首里城火災が発生するなど、多くの人的・物的被害が生じました。 振り返れば、平成は、阪神淡路大震災(平成7年)や東日本大震災(平成23年)...
1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年8月26日に華中から九州南部を通って日本の南にのびていた前線は、27日に北上し、29日にかけて対馬海峡付近から東日本に停滞した。また、この前線に向かっ...
2.台風第15号に伴う被害と対応
2.台風第15号に伴う被害と対応 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和元年9月5日3時に南鳥島近海で発生した台風第15号は、発達しながら小笠原諸島を北西に進み、非常に強い勢力となって伊豆諸島南部へと進んだ。 台風は、強い勢力を保ったまま、同月9日3時前に三浦半島付近を通過し、5時前に千葉市付近に上...