3.地下施設等の災害対策の課題
鉄道トンネル(地下鉄道トンネルを含む。)、道路トンネル及び今後開発が予想される大深度地下施設は、出入口が限定された閉鎖性の高い場所であり、一旦火災等が発生し、濃煙、熱気が充満した場合には、利用者の避難・誘導、消防隊の消火・救助活動等に種々の制約、困難が伴うこととなることから、適切な防災安全対策を講じていく必要がある。
特に、大深度地下の公共的使用に関する特別措置法に基づき実施される事業については、「大深度地下の公共的使用における安全の確保に係る指針」等を踏まえた安全対策が講じられるよう、適切な助言等を行っていく必要がある。
中央新幹線(品川・名古屋間)は、大都市圏において大深度地下を利用した区間があるため、万一災害等が発生した場合に、迅速かつ安全に乗客を避難させ、的確な消防活動を行えるように対策を講ずる必要がある。そのため、消防庁では、中央新幹線の防災対策等について情報共有を図ることを目的に、東海旅客鉄道株式会社及び中央新幹線沿線消防本部から構成される連絡会議を定期的に開催している。