令和2年版 消防白書

第6節 救助体制

1.救助活動の実施状況

(1)救助活動件数及び救助人員の状況

消防機関が行う人命の救助とは、火災、交通事故、水難事故、自然災害、機械による事故等から、人力や機械力等を用いてその危険状態を排除し、被災者等を安全な場所に搬送する活動をいう。
令和元年中における全国の救助活動の実施状況は、救助活動件数6万1,340件(対前年比167件減、0.3%減)、救助人員(救助活動により救助された人員をいう。)6万3,670人(対前年比166人減、0.3%減)である(第2-6-1表、附属資料2-6-1)。
この減少の主な要因は、「交通事故」における救助活動件数(対前年比1,101件減、7.7%減)及び救助人員(対前年比1,499人減、8.0%減)が減少したことである(第2-6-1図、第2-6-2図)。

第2-6-1表 救助活動件数及び救助人員の推移

第2-6-1表 救助活動件数及び救助人員の推移

(備考)「救助年報報告」により作成

第2-6-1図 事故種別救助活動件数の状況

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

(令和元年中)

第2-6-1図 事故種別救助活動件数の状況

(備考)「救助年報報告」により作成

第2-6-2図 事故種別救助人員の状況

画像をクリック(タップ)すると拡大表示します

(令和元年中)

第2-6-2図 事故種別救助人員の状況

(備考)「救助年報報告」により作成

(2)事故種別ごとの救助活動の状況

事故種別ごとの救助活動状況をみると、救助活動件数及び救助人員ともに「建物等による事故」と「交通事故」において高い数値のまま推移している。
救助出動人員(救助活動を行うために出動した全ての人員をいう。)は、延べ145万9,779人である。このうち、消防職員の出動人員は延べ139万6,315人であり、「建物等による事故」による出動が32.6%、「交通事故」による出動が22.1%となっている。一方、消防団員の出動人員は、延べ6万3,464人であり、「火災」による出動が68.9%となっている。
次に、救助活動人員(救助出動人員のうち実際に救助活動を行った人員をいう。)は、延べ58万690人であり、救助活動1件当たり9.5人が従事したこととなる。また、事故種別ごとの救助活動1件当たりの従事人員は、「破裂事故」の18.3人が最も多く、次いで「火災」の16.4人となっている(第2-6-2表)。

第2-6-2表 事故種別救助出動及び活動の状況

(令和元年中)

第2-6-2表 事故種別救助出動及び活動の状況

(備考)
1 「救助年報報告」により作成
2 ( )内は構成比(%)。単位未満四捨五入のため、合計等が一致しない場合がある。
3 「救助出動人員」とは、救助活動を行うために出動した全ての人員をいう。
4 「救助活動人員」とは、救助出動人員のうち実際に救助活動を行った人員をいう。
5 「建物等による事故」とは、建物、門、柵、へい等建物に付帯する施設又はこれらに類する工作物の倒壊による事故、建物等内に閉じ込められる事故、建物等に挟まれる事故等をいう。
6 「その他」とは、上記事故種別以外の事故で、消防機関による救助を必要としたものをいう。

関連リンク

令和2年版 消防白書(PDF版)
令和2年版 消防白書(PDF版) 令和2年版 消防白書 (一式)  令和2年版 消防白書 (概要版)  はじめに  特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備  特集2 新型コロナウイルス感染症対策  特集3 消防団を中核とした地域防...
はじめに
はじめに 昨年は、令和2年7月豪雨や台風による自然災害に見舞われ、多くの人的・物的被害が生じました。 また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、消防活動においても救急隊をはじめとして感染防止の徹底など様々な対応が求められました。 ...
1.令和2年7月豪雨による被害及び消防機関等の対応状況
特集1 最近の大規模自然災害への対応及び消防防災体制の整備 1.令和2年7月豪雨による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和2年7月3日から31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖...
2.令和2年台風第10号による被害及び消防機関等の対応状況
2.令和2年台風第10号による被害及び消防機関等の対応状況 (1)災害の概要 ア 気象の状況 令和2年9月1日21時に小笠原近海で発生した台風第10号は、発達しながら日本の南を西北西に進み、5日から6日にかけて大型で非常に強い勢力で沖縄地方...