令和2年版 消防白書

2.開発途上国からの研修員受入れ等

(1)課題別研修の実施

消防庁では、JICAと連携し、開発途上国の消防防災機関職員を対象に「救急救助技術」研修及び「消防・防災」研修(平成25年度までは「消火技術」研修として実施)の2コースの課題別研修を、消防本部の協力の下で実施している。
現在、「救急救助技術」研修は大阪市消防局、「消防・防災」研修は北九州市消防局において技術指導を実施しており、これまでに、それぞれ291人、283人の研修員が教育訓練を受けている。
それぞれの研修では、規律訓練、訓練礼式等の基礎訓練から、実災害を想定した消火訓練や救助訓練まで幅広い分野の訓練を約2か月間、実施している。
各コースの研修員は、研修を通じて身に付けた我が国の消防防災に関する知識や技術を自国の消防防災能力の向上のために活用している。

(2)国別研修の実施

消防庁では、課題別研修のほか、開発途上国の個別の要請に基づき、JICAと連携して国別研修を実施している。
今後は、ミャンマーに対して、複数の消防本部の協力の下、救助と予防に関する研修の実施を予定している。

(3)諸外国への情報提供等

消防庁では、このような研修のほかにも各国大使館、JICA、外務省等の協力依頼に基づき、諸外国からの消防防災、危機管理分野等の関係者の訪問を受け入れ、それぞれの要望に応じた情報提供、関連施設の視察等を実施している。
直近では、令和元年に、チリONEMI(内務公共安全省国家緊急対策室)幹部、オーストラリアNSW(ニューサウスウェールズ州)消防救助庁職員、ブラジル・ミナスジェライス州民間防衛調整局幹部に対して、日本の消防制度等について説明を行った。

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