2.戸別受信機等の有効性
平成30年7月豪雨や令和元年東日本台風(台風19号)等の大雨や台風等においては、気象状況の悪化等により屋外スピーカーを用いた防災行政無線等からの音声が聞き取りづらい場合があることが課題となった。このような大雨や台風時に屋外スピーカーからの音声が十分に聞こえにくい状況においては、屋内に設置する戸別受信機等*2が住民への確実な情報伝達に有効である。特に、緊急速報メールが配信されるスマートフォン等の携帯端末を保有していない世帯に有効である。
戸別受信機等は、防災行政無線等の構成機器のひとつであり、避難場所、防災拠点、各家庭等の屋内で防災行政無線等の音声を聞くことができるものである(特集5-2図)。
消防庁では、3か年緊急対策において、避難勧告等の情報が届きにくい高齢者世帯等への確実な情報伝達に課題がある市町村について、戸別受信機等を配備することにより情報伝達の確実性を向上させる緊急対策を実施することとされたこと等を踏まえ、戸別受信機等の地方財政措置を拡充する等、各市町村における戸別受信機等の配備を促進してきたところである。しかし、次に示すとおり、全ての市町村において戸別受信機等が配備されてはおらず、消防庁ではより一層の配備促進のための取組を行っているところである(特集5-3図、特集5-4図)。
特集5-2図 戸別受信機等の例
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特集5-3図 戸別受信機を用いた市町村防災行政無線(同報系)の構成イメージ
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特集5-4図 戸別受信機等の必要性
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*2 戸別受信機等:市町村防災行政無線(同報系)の戸別受信機及びMCA陸上移動通信システム、市町村デジタル移動通信システム、FM放送、280MHz帯電気通信業務用ページャーやV-Lowマルチメディア放送を活用した同報系システムの屋内受信機(防災情報を受信して自動起動するもの)をいう。