令和5年版 消防白書

4.出火原因

令和4年中の出火件数3万6,314件のうち、失火による火災は全体の75.8%である(資料1-1-33)。出火原因別にみると、たばこが3,209件と最も多く、次いでたき火が3,105件、こんろが2,771件となっている(第1-1-15図)。

第1-1-15 図主な出火原因別の出火件数

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(令和4年中)

 

(備考)「火災報告」により作成

また、全火災の着火物別出火件数は、枯草が全体の17.8%を占め、最も多くなっている(資料1-1-34)。

(1)「たばこ」による火災の6割以上は不適当な場所への放置によるもの

たばこによる火災は、3,209件で全火災の8.8%を占めている。主な経過別出火件数をみると、不適当な場所への放置によるものが2,012件と最も多くなっている(第1-1-15図、資料1-1-35)。

(2)「放火」及び「放火の疑い」の合計は減少

放火による出火件数は、おおむね減少傾向が続いており、令和4年中の放火による出火件数は2,242件(全火災の6.2%、対前年比3.9%減)である。これに放火の疑いを加えると3,710件(全火災の10.2%、対前年比4.6%減)となっている(第1-1-15図、第1-1-16図、資料1-1-36)。
次に、放火及び放火の疑いによる火災を発火源別にみると、ライターによるものが1,062件と最も多くなっている(資料1-1-36)。
また、放火及び放火の疑いによる火災の時間帯別の出火件数をみると、16時の時間帯が最も多くなっている(資料1-1-38)。

第1-1-16図 放火及び放火の疑いによる火災件数の推移

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(各年中)

 

(備考)「火災報告」により作成

(3)「こんろ」による火災で最も多いのは消し忘れによるもの

こんろによる火災は、2,771件で全火災の7.6%を占めている(第1-1-15図)。
こんろの種類別では、ガスこんろによる火災が2,336件と最も多い。
主な経過別出火件数をみると、消し忘れによるものが1,186件と最も多い(資料1-1-39)。

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