特集1 近年の大規模自然災害を踏まえた消防防災体制の整備
1. 能登半島沖を震源とする地震に係る被害及び消防機関等の対応状況
(1)災害の概要
ア 地震の概要
令和5年5月5日14時42分、能登半島沖を震源とするマグニチュード6.5の地震が発生し、石川県珠洲市で震度6強を観測した。
また、同日21時58分、同じく能登半島沖を震源とするマグニチュード5.9の地震が発生し、同市で震度5強を観測した。
イ 被害の状況
この地震により、石川県及び富山県において、死者1人、負傷者48人の人的被害が発生した。
また、全壊40棟、半壊311棟、一部破損3,046棟、計3,397棟の住家被害が発生した(令和5年11月15日現在)。
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被害の状況
(奥能登広域圏事務組合消防本部提供)
(2)政府の主な動き及び消防機関等の活動
ア 政府の主な動き
政府においては、地震発生後直ちに官邸対策室を設置した。同日15時07分には、関係省庁の局長等で構成される緊急参集チームによる協議が開始され、関係省庁間で被害状況等の情報が共有された。
同日及び翌6日には関係省庁局長級会議が開催され、判明した被害状況、各省庁の対応状況等について関係省庁間の情報共有と今後の対応の確認を行った(特集1-1表)。
特集1-1表 政府の主な動き
日 付 |
時 刻 |
会議開催等 |
5月5日 |
14時43分 |
官邸対策室設置 |
5月5日 |
21時00分 |
関係省庁局長級会議(第1回) |
5月6日 |
14時30分 |
関係省庁局長級会議(第2回) |
イ 消防庁の対応
消防庁においては、地震発生後直ちに消防庁長官を長とする消防庁災害対策本部(第3次応急体制)を設置し、震度6強を観測した石川県に対して、迅速な初動対応及び被害報告を要請した。
ウ 被災自治体の対応
5月5日14時42分の地震発生と同時に、石川県は災害対策本部を設置した。
エ 消防機関の対応
(ア)消防本部
石川県珠洲市を管轄する奥能登広域圏事務組合消防本部が、発災直後から救急、危険排除等の119番通報に対応するとともに、同市内における複数の建物倒壊現場において、地元消防団と連携して救助活動等に当たったほか、石川県消防防災ヘリコプターが被災地域の情報収集活動に当たった。
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救出活動の様子
(奥能登広域圏事務組合消防本部提供)
(イ)消防団
石川県珠洲市をはじめ、甚大な被害に見舞われた能登地方において、消防団は、地震発生直後から避難の呼び掛け、危険箇所の巡視・警戒及び被害情報の収集等を実施した。
また、地震発生の翌週以降も、がれきの撤去や災害廃棄物の運搬作業等の復旧作業を実施した。
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消防団の活動の様子
(石川県珠洲市提供)