6.最近の石油コンビナート等における災害対策
(1)石油コンビナート等における災害防止対策検討関係省庁連絡会議
石油コンビナート保安の所管省庁である消防庁、厚生労働省及び経済産業省で定期的に連絡会議(石油コンビナート等災害防止3省連絡会議)を開催している。
当該会議は、事故に関する情報交換、政策動向の共有、事業者の災害防止に向けた取組の推進、災害発生時の連携した対応などを目的としており、石油コンビナートにおける災害防止に向けて省庁の垣根を越えて連携し、事故防止への取組を進めるとともに、インターネット上で事故情報等を発信している。
(石油コンビナート等災害防止3省連絡会議3省共同運営サイト:
https://www.fdma.go.jp/relocation/neuter/topics/fieldList4_16.html)
(2)石油コンビナート等の地震・津波対策
南海トラフ地震や首都直下地震による被害の発生が懸念されることから、東日本大震災の被害の状況を踏まえ、防災アセスメント指針、自衛防災組織等の防災活動の手引きの改訂を行うなど、石油コンビナート等における防災体制の充実強化を図っている。
(3)石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト
消防庁では、特定事業所における自衛防災組織等の防災要員の技能及び士気の向上を図ることを目的とした「石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト」を開催している。
当該コンテストは、11月5日の「津波防災の日」の前後に、大規模タンク火災への泡放射を想定した訓練をいかに安全・確実・迅速に行うかを競うもので、優秀な成績を収めた自衛防災組織等に総務大臣表彰及び消防庁長官表彰を授与している。
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石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテストポスター
石油コンビナート等における自衛防災組織の技能コンテスト表彰式
(4)石油コンビナート等防災体制検討会の開催
消防庁では、石油コンビナート等特別防災区域における防災体制を強化するため、「石油コンビナート等防災体制検討会」を開催している。
令和5年度は、近年石油コンビナートにおける事故の発生件数が増加しており、死傷者を伴う事故も毎年発生していることから、学識経験者、行政機関及び業界関係者をメンバーとし、事故を防止する方策及び事故発生時の被害を軽減する方策について検討を行っている。