2 住宅防火対策の推進
住宅防火対策については、これまで広報・普及啓発活動を中心に取り組んできたところであるが、最近の住宅火災による死者数は増加傾向にある。平成19年中の放火自殺者等を除く住宅火災による死者数は、1,148人となっており、昭和61年(1,016人)以来17年ぶりに1,000人を超えた平成15年から5年連続して1,000人を超えている。
また、同死者数の約6割が65歳以上の高齢者であり、今後の高齢化の進展に伴い、更に増加するおそれがあること等から、平成16年6月の消防法の改正により、従来個人の自助努力と考えられてきた住宅防火対策が抜本的に見直され、すべての住宅に住宅用火災警報器等の設置・維持を義務付ける法制度の導入が図られた。それにより、新築住宅は平成18年6月1日から、既存住宅は概ね平成20年6月から平成23年6月までの各市町村条例で定める日から住宅用火災警報器の設置が義務付けられた。
消防庁では、今後全国に4,700万戸といわれる既存住宅への住宅用火災警報器の設置を促進するため、技術開発の促進、リース方式の導入等について関係業界に働きかけるとともに、消防団、婦人(女性)防火クラブ、自主防災組織等と連携した住宅用火災警報器等の設置、維持管理等に係る啓発などの普及方策の推進、悪質訪問販売の被害防止対策、報道機関への働きかけなど市場機能の活用について重点的に推進し、さらには政府広報をはじめ様々な広報媒体の利用、普及・促進に関する施策を講じていくこととしている。