5 災害時要援護者に配慮した総合的防火安全対策の推進
高齢者、障害者等の災害時要援護者が安心して安全に生活し、社会参加できるバリアフリー環境の整備を推進するためには、火災等の災害時における消防機関等への緊急通報や迅速な避難誘導等が円滑に行われるよう災害時要援護者の安全性の確保に留意する必要がある。
平成18年1月に長崎県の認知症高齢者グループホームにおいて死者7人を出す火災が発生したことを踏まえ、消防法施行令の一部を改正する政令及び消防法施行規則の一部を改正する省令が平成19年6月に公布され、認知症高齢者グループホーム等における防火安全対策の強化が図られた。また、平成20年度から「小規模施設に対応した防火対策に関する検討会」を開催し、災害時要援護者の利用する小規模施設について、その実状に即した防火安全対策のあり方を検討しているところである。
一方、平成18年度から平成19年度にわたり検討会を開催し、聴覚障害者に対し、いち早く火災を警報するため、携帯電話のメールを利用したソフトウェアを開発し、消防研究センターのホームページ(http://www.fri.go.jp/download/keitai/note.html)からダウンロードして利用できるようにした。今後、これらの検討結果等を踏まえ、必要な防火安全対策を講ずることとしている。
消防機関をはじめ行政機関は、災害時要援護者の日常生活をサポートするホームヘルパー、民生委員など、福祉関係者等と連携し、高齢者等の所在の積極的な把握や訪問診断等による防火指導の推進等の取組を引き続き実践する必要がある。