平成20年版 消防白書

1 出火状況

(1)出火件数は増加、1日当たり150件の火災が発生

平成19年中の出火件数は5万4,582件で、前年に比べ1,306件(2.5%)増加している。これは、1日当たり150件の火災が発生したことになる(第1-1-1表、第1-1-2表)。

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(2)建物火災は全火災の57.2%

火災を6種類に区分し、その構成比をみると、建物火災が全火災の57.2%で最も高い比率を占めている。次いで、その他の火災(空地、田畑、道路、河川敷、ごみ集積場、屋外物品集積場、軌道敷、電柱類等の火災)、車両火災、林野火災、船舶火災、航空機火災の順となっており、昭和60年以降変化していない(第1-1-3表)。

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(3)冬季・春季に火災が多い

平成19年中の出火件数を四季別にみると、火気を使用する機会の多い冬季から春季にかけて多く発生しており、総出火件数の57.4%を占めている(第1-1-4表)。

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(4)出火率は4.3件/万人

平成19年中の出火率(人口1万人当たりの出火件数)は、全国平均で4.3件/万人で、前年より0.1ポイント増加している(第1-1-1表、第1-1-5表)。

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また、出火率を都道府県別にみると、最高は鹿児島県の6.3、次いで高知県、宮崎県の5.5の順となっており、一方、出火率が最も低いのは、富山県の2.3で、平成3年以降17年連続して最低となっている(第1-1-6表)。

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(5)火災の覚知は119番通報、初期消火は消火器

平成19年中の消防機関における火災覚知方法についてみると、火災報知専用番号(119番)による通報が71.2%と圧倒的に多い(第1-1-2図)。

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また、初期消火の方法についてみると、消火器を使用したものが21.5%と初期消火が行われたもの(63.6%)の中で最も高い比率になっている。一方で、初期消火を行わなかったものは36.4%となっており、この値を10年前(平成10年)と比較すると1.4ポイント増加している(第1-1-7表)。

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