4 出火原因
平成19年中の総出火件数5万4,582件のうち、失火による火災は3万5,880件(全体の65.7%)であり、火災の大半は火気の取扱いの不注意や不始末から発生している(第1-1-11図)。
これを主な出火原因別に見てみると、放火(6,558件)、こんろ(6,080件)、たばこ(5,707件)、放火の疑い(4,584件)の順となっている(第1-1-12図)。
(1)「放火」による火災が11年連続して第1位
平成19年中の放火による出火件数は6,558件であり、前年に比べ91件(1.4%)減少したものの、全火災(5万4,582件)の12.0%を占め、11年連続して出火原因の第1位となっている。これに放火の疑いを加えると1万1,142件(全火災の20.4%、対前年△126件、△1.1%)となる(第1-1-11表、第1-1-12図、附属資料6)。
放火による損害額は64億8,379万円で、前年に比べ8億4,581万円(11.5%)減少している。これに放火の疑いを加えた損害額は117億2,578万円(対前年△11億4,489万円、△8.9%)となる(第1-1-12図)。
次に、放火及び放火の疑いによる火災を発火源別にみると、ライターによるものが3,913件(全体の35.1%)と最も多くなっている(第1-1-11表)。
また、放火及び放火の疑いによる火災を時間帯別にみると、夜間から明け方(22時以降翌朝4時までの間)にかけて特に多くなっており、この時間帯に3,699件(全体の33.2%)が発生している(第1-1-13図)。
(2)「こんろ」による火災は増加
平成19年中のこんろによる火災は6,080件で、前年に比べ90件(1.5%)増加している。こんろの種類別では、普及率の高いガスこんろによる火災が最も多く5,627件(全体の92.5%)で、こんろによる火災の大半を占めている。こんろによる火災の主な経過別出火件数をみると、67.0%に当たる4,073件が消し忘れによるものである。
また、こんろが原因の火災による損害額は74億4,025万円で、前年に比べ2億8,784万円(4.0%)増加している(第1-1-12表)。
(3)「たばこ」による火災は増加
平成19年中のたばこによる火災は5,707件で、前年に比べ572件(11.1%)増加し、全火災(5万4,582件)の10.5%を占めている(第1-1-13表、第1-1-12図)。
たばこによる火災の主な経過別出火状況をみると、投げ捨てによるものが56.6%(3,233件)と半数以上を占めている。たばこが原因の火災による損害額は、87億323万円であり、前年に比べ1億4,040万円(1.6%)増加している(第1-1-13表)。
(4)着火物は前年と同様「枯草」が第1位
平成19年中の全火災の着火物別出火件数は枯草が6,753件と全体の12.4%を占め、最も多くなっている(第1-1-14表)。