平成20年版 消防白書

2 避難体制の整備

(1)災害時要援護者の避難誘導体制の整備

市町村は、「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」等を参考に、自主防災組織等との連携の下、一人ひとりの災害時要援護者に対して複数の避難支援者を定める等、具体的な避難支援計画(避難支援プラン)を早急に策定する必要があり、「自然災害の「犠牲者ゼロ」を目指すための総合プラン」(平成20年4月中央防災会議報告)においては、平成21年度までを目途に避難支援プランの全体計画などが策定されるよう促進し、災害時要援護者が安全に避難するための支援体制を確立する旨規定されているところである。
なお、災害時要援護者関連施設については、立地条件の把握、施設周辺のパトロール体制の確認をはじめ、施設への適切な情報提供、的確な避難誘導体制等の再点検を行うほか、避難が夜間になりそうな場合には日没前に避難が完了できるように努めるなど、警戒避難体制等の防災体制の整備が必要である。

(2)避難路・避難所の周知徹底及び安全確保等

避難路・避難所については、住民が円滑かつ安全に避難できるよう、周知徹底するとともに、豪雨災害等の特性を踏まえた安全性の確保、移送手段の確保及び交通孤立時の対応について配慮する必要がある。
また、避難所の確保が難しい場合には、他の公共施設等を一時避難所として確保するよう配慮も必要である。

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