平成20年版 消防白書

2 航空災害対策の現況

航空事故は、いったん発生すれば、大惨事となるおそれがあり、初期における消火救難活動は極めて重要である。
空港の消防力は、国際民間航空条約第14附属書の標準及び勧告方式に準拠し、消火薬剤、消火救難車両等の整備が空港管理者により行われているが、消防庁では、国土交通省等とともに空港災害対策研究会議を開催し、空港及び関係市町村に整備すべき消防力の基準や航空機火災の消防戦術等を取りまとめ、空港管理者及び地方公共団体等関係機関に示し、航空災害に対する消防防災体制の整備に資するとともに、空港及びその周辺で発生する航空災害に対処すべく消防力の整備に努めている。
また、消防庁及び国土交通省では、市町村消防機関と空港管理者との間で、空港及びその周辺における消火救難活動に関する協定を締結するように指導しており、平成20年4月1日現在、空港所在市町村の99消防機関が協定を締結している。
さらに、消防庁では、国土交通省東京空港事務所におかれた救難調整本部(RCC)と消防庁との間に専用電話回線を開設するなど、航空災害に対する消防機関の初動体制の確立に努めてきたところであり、航空機の捜索救難に関し関係省庁で締結されている「航空機の捜索救難に関する協定」に関係機関として参加している。

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