第6章 国際的課題への対応
[国際緊急援助]
1 設立の経緯
昭和60年11月14日に発生したコロンビア共和国のネバド・デル・ルイス火山の噴火による泥流災害に際し、外務省から同国政府の援助要請がある場合の救助隊の派遣について意向打診があり、消防庁では、これに積極的に協力することとして準備を進めた。結局、コロンビア共和国政府からの救助隊派遣要請はなかったが、消防庁は、国際協力の一環としてこうした活動に積極的に対応することとし、昭和61年に国際消防救助隊(International Rescue Team of Japanese Fire-Service:略称"IRT-JF":愛称"愛ある手")を整備した。
その後、政府は外務省を中心に、海外で大規模災害が発生した場合の国際緊急援助体制の整備を進め、昭和62年9月16日、「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」が公布、施行された。
これ以降、国際消防救助隊は、国際緊急援助隊の救助チームが派遣されるたびに、同チームの要員として常に派遣されている。