平成23年版 消防白書

2 構造改革特区に係る取組

(1) これまでの経緯

平成14年6月、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002」(平成14年6月25日閣議決定)において、構造改革特区制度の導入が盛り込まれ、その推進が図られることとなった。これを受けて、平成14年7月26日には、構造改革特区制度を推進することによって、規制改革を地域の自発性を最大限尊重する形で進め、我が国経済の活性化及び地域の活性化を実現することを目的として、「構造改革特区推進本部」が内閣に設置された。また、平成14年12月18日には、「構造改革特別区域法」(平成14年法律第189号)が公布され、同法第3条第1項に基づき、政府における基本的な施策の推進の方向を示すものとして、構造改革の推進等の意義、目標及び政府が実施すべき施策に関する基本方針等を内容とする「構造改革特別区域基本方針」が平成15年1月24日に閣議決定され、これまでに22次の改訂(平成23年8月15日現在)を経ている。
これまで消防庁では、特区制度の趣旨にかんがみ、火災予防又は防災の観点から安全性の確保に十分配慮した対応を行っている(附属資料II-52II-53II-54)。

(2) 最新の取組

平成21年12月8日に閣議決定された「新たな経済対策」に、構造改革特区制度の活用が盛り込まれたことを受け、過去の実現しなかった提案等の中から消防防災行政に係る46項目について再検討を行った。
また、平成22年10月から11月にかけて提案募集が行われた第19次提案及び平成23年6月から7月に提案募集が行われた第20次提案の中から、消防防災行政に係る3項目について検討を行い、そのうち、エタノール含有ガソリンを取り扱う給油取扱所に関する運用の緩和要望に対しては、給油取扱所においてE10(エタノールを10%含有したガソリン)を給油することができるよう、消防法令の改正等の必要な措置を実施することとした(附属資料II-54)。
消防庁としては、引き続き、火災予防又は防災の観点から安全性の確保に十分配慮し対応することとしている。

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