第10節 規制改革への対応
1 規制改革への取組
(1) これまでの経緯
平成5年(1993年)9月16日緊急経済対策閣僚会議決定の「規制緩和等の実施について」から、平成16年3月19日の閣議決定「規制改革・民間開放推進3か年計画」までの7次にわたる規制改革の推進のための政府計画等に計上された消防防災行政に係る各種の規制緩和・改革事項について、安全性の確保を図りつつ、新技術への対応、手続きの簡素化などの観点から積極的に措置を講じてきた(附属資料II-47)。
平成19年1月には、内閣総理大臣の諮問機関として「規制改革会議」が設置されるとともに、政府にも全閣僚から構成される「規制改革推進本部」が設置され、規制改革推進のための体制が改めて整備された。その推進体制の下、規制改革を国民本位の改革として、一層強力かつ着実に推進するため、「規制改革推進のための3か年計画」(平成19年6月22日閣議決定)が策定され、その後の改定(平成20年3月25日閣議決定)及び再改定(平成21年3月31日閣議決定)を経て、消防防災行政に係る16項目について所要の措置を講じてきたところである(附属資料II-48)。
(2) 最新の取組
平成22年1月から内閣府行政刷新会議事務局国民の声担当室にて受付を開始した「国民の声」において、平成22年9月10日から10月14日までの間、規制・制度改革に関する提案の集中受付が行われ、消防防災行政に係る4項目(〔1〕危険物消火設備としての窒素消火設備の追加、〔2〕災害時や断水時に備えるためのトイレ対策、〔3〕コンテナ型データセンターに係る消防法上の取扱いの見直し、〔4〕消防設備士免状の自主返納の検討)が検討テーマとして取り上げられ、検討の結果、これらの項目の今後の取組が「「国民の声」規制・制度改革集中受付に提出された提案等への対処方針(平成23年4月8日閣議決定)」に盛り込まれた(附属資料II-49)。
また、行政刷新会議に設置された「規制・制度改革に関する分科会」において、消防防災行政に係る3項目(〔1〕リチウムイオン電池の取扱規制の見直し、〔2〕アーケードに添架する装飾等の運用の緩和、〔3〕地域のコンビナートにおいて協業を進める上で障害となる規制の見直し)が検討テーマとして取り上げられ、検討の結果、〔2〕及び〔3〕については、これらの項目の今後の取組が「規制・制度改革に係る方針(平成23年4月8日閣議決定)」に盛り込まれた(附属資料II-50)。
上記の〔1〕については、平成23年3月に実施された規制仕分けの対象となり、規制仕分けの評価結果を踏まえた検討が進められた結果、今後の取組が「規制・制度改革に係る追加方針(平成23年7月22日閣議決定)」に盛り込まれた(附属資料II-51)。
このことについて、今般の電力需給対策等の社会的要請に速やかに対応するため、平成23年中のできるだけ早い時期に結論を出すべく、「リチウムイオン電池に係る危険物施設の安全対策のあり方に関する検討会」において議論を重ねている。
消防行政に係る安全規制は、国民の生命、身体及び財産の保護のために極めて重要なものである。消防庁としても、今後とも安全性の確保に十分配慮しながら、社会的要請に対応した規制・制度の改善等を推進していくこととしている。