平成23年版 消防白書

2 活動概要

ニュージーランド政府からの援助要請に先駆け、緊急調査チーム3名(外務省、東京消防庁、JICA)の派遣が決定され、2月22日19時に成田空港を出発した。同日18時10分にはニュージーランド政府から我が国に対して正式に援助要請があり、これを受け19時に国際緊急援助隊救助チームの派遣が決定され、第1陣として消防庁職員1名及び登録消防本部(東京消防庁、千葉市、相模原市、京都市、高松市)の救助隊員15名を含む総勢63人が、翌23日午後の政府専用機にて現地へ向けて出発した。
2月24日未明にクライストチャーチ空港に到着した第1陣は、先発の緊急調査チームと合流し、各国救助隊が活動拠点を置くラティミアスクエアに到着、活動場所であるCTVビル倒壊現場の確認、活動拠点(BoO)の設営、救助活動の準備を行い、24日11時から救助活動を開始した。救助活動は、27日20時まで24時間体制で実施、3月1日に活動を終了した。第2陣(消防庁職員1名、東京消防庁及び新潟市の救助隊員7名を含む総勢32人)は、2月28日に成田空港を出発し、現地で第1陣からの引き継ぎを受け、2日早朝からCTVビル現場での活動を開始し、捜索活動を5日まで継続、翌6日に、CTVビル現場にて黙祷式を実施後、近隣街区の被災状況確認等を行い活動を終了した。なお、3日午後には、ニュージーランド政府から被災地における活動を捜索救助から遺体発見・収容に移行することが発表された。
CTVビルでの捜索活動は終了していたものの、ニュージーランド側から高い技術を持った日本隊による支援継続が期待されたことから、第3陣(消防庁職員1名、東京消防庁及び福岡市の救助隊員7名を含む総勢30名)は3月5日に成田空港を出発し、翌8日から10日まで、クライストチャーチ市内外8か所の現場において解体前の被災建物内の人命検索、貴重品の捜索・搬出を実施した。その後CTVビルと付近の最終捜索、BoOの撤収作業等を行い、翌12日に帰国の途につき、第1陣から第3陣までの総勢33名による活動を終了することとなった。

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