平成23年版 消防白書

3 今回の活動の特徴等

18回目となる国際消防救助隊の派遣の中で、今回が初めてとなることや特徴的なことをいくつか挙げる。
1点目は、先進国からの救助隊の派遣要請であったこと。
2点目は、ニュージーランドからの援助要請に先駆け、緊急調査チームを派遣したこと。
3点目は、政府専用機による第1陣の早期の投入により早期に現地到着し活動が開始できたこと。
4点目は、第2、第3陣を派遣したこと。
5点目は、INSARAG(国際捜索救助諮問グループ)ヘビー級認定後、初の救助チームの派遣であったこと。
このような中、現地では余震や雨、倒壊後の火災の影響もあり困難な状況であったが、国際緊急援助隊救助チームに参加した消防救助隊員は、その持てる技術、強い使命感により捜索活動を展開した。
残念ながら全活動を通じて生存者の発見救出には至らなかったが、その活動ぶりには現地の政府機関、関係機関や邦人被災者家族等から高い評価、感謝の意が寄せられた。

関連リンク

はじめに
はじめに 我が国の消防は、昭和23年に消防組織法が施行され、市町村消防を原則とする自治体消防制度が誕生して以来、関係者の努力の積み重ねにより着実に発展し、国民の安心・安全確保に大きな役割を果たしてきました。 本年は、3月11日に発生した東日本大震災によって、死者・行方不明者併せて約2万人という甚大な...
第1節 本震
第I部 東日本大震災について 第1章 地震・津波の概要 第1節 本震 平成23年3月11日14時46分、三陸沖(北緯38度1分、東経142度9分)の深さ24kmを震源として、我が国観測史上最大のマグニチュード9.0*1の地震が発生した。この地震により宮城県栗原市で震度7を観測したほか、宮城県、福島県...
第2節 余震等
第2節 余震等 気象庁によると、東北地方太平洋沖地震の余震は、岩手県沖から茨城県沖にかけて、震源域に対応する長さ約500km、幅約200kmの範囲に密集して発生しているほか、震源域に近い海溝軸の東側、福島県及び茨城県の陸域の浅い場所で発生している(第1-2-1図)。  これまでに発生した余震は、最大...
第1節 人的被害
第2章 災害の概要 第1節 人的被害 東北地方太平洋沖地震及びその後の余震は、地震の揺れ及び津波により東北地方の沿岸部を中心として、広範囲に甚大な被害をもたらした。 被害の中でもとりわけ人的被害については、死者16,079名、行方不明者3,499名(11月11日時点)という、甚大な被害が発生した(...